世相を斬る!(29)片手落ちのバスツアー事故責任
2012/5/4 臥龍 さん
群馬県藤岡市の関越自動車道で起きた高速ツアーバス事故は、楽しいはずのゴールデンウィークの旅行を、一転して悲しみのどん底につき落としてしまったようです。新聞報道では、過密な労働のため、バスの運転手が居眠りをしたことが、事故につながったようです。
仮にそうだとすれば、とんでもない話で、運転手はもとより、バス運行会社も、労務管理の責任を厳しく問われなければなりません。
新聞やテレビの報道でも、その点についての責任を追及する記事が目立っています。確かに、居眠り、不注意運転は、多くの人を運ぶ公共交通機関の運転手として、あってはならないことは、いうまでもありません。
その背景に、長時間運転、過重な労働があったとすれば、運行会社の責任もまた同様に重いといわざるを得ません。現在、国土交通省では、運転手一人が一日に運転できる距離や、連続して運転できる時間などの基準を見直す方針と伝えられます。
それはそれで、早急に実施してもらう必要がありますが、それとともに疑問に感ずるのは、このツアーを企画した旅行会社の責任の所在です。
旅行会社の所管官庁は観光庁であり、バス運行の所管は国土交通省自動車局であるという、責任逃れは許されません。近年、旅行会社によるバスツアー企画が増え、それに伴うツアーバスの事故が増えていることは事実です。
バスツアーの魅力は、比較的手近な場所から乗車でき、簡単に目的地に行けるという利点に加え、料金の安さを見逃すわけにはいきません。
東京―大阪間が片道3000円台という破格のツアーも発売されているようです。料金の安さが受けて、若い人たちだけでなく、シニア、シルバー世代の人たちにも人気が広がっています。
一方、旅行会社は、観光庁に登録すれば、比較的簡単に営業できることから、その数も急増し、旅行会社同士の過当競争が激しくなっているようです。
そうした過当競争の結果として、料金の値下げが展開されている事情があるようです。ツアー利用者にとって、料金が安くなること自体は歓迎すべきことなのですが、そのツケがバス会社の過密な労働にしわ寄せされているとすれば、問題の根は深いといえます。
バス会社の労務・安全管理体制の見直しと同時に、旅行会社のあり方に関しても、何らかの規制を加え、こうした事故の際、バス会社と同じ責任を問えるようにしなければ、片手落ちということになるでしょう。世相を斬る!
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