「巣鴨地蔵通り」に若い女性急増のワケ
2012/5/26 ゆく河の流れは絶えずして さん
「おばあちゃんの原宿」として親しまれている「巣鴨地蔵通り商店街」(東京・豊島区)に20代、30代の若い女性の姿が増えている。
高齢者のスポットタウンだけではなくなってきているのだ。東京・練馬区に住むIT情報企業に勤める女性(36)は「周りから聞こえてくるお年寄りの何気ない話が耳障りでなく聞いていると気持ちが落ち着く。商店街に気負いがなく、庶民目線というところも気に入っている」という。
かつては、渋谷、表参道、六本木、中目黒、自由ヶ丘、二子玉川など都内の人気エリアに繰り出しては食事やショッピングなどを楽しんだが、いまは足を向ける気にはならない。
地蔵通りには休日を利用して毎月1回、散歩がてらにひとりでやってくる。「私にとってこの地蔵通りは究極の気晴らしの場」。
小間物屋に立ち寄って時間を潰すこともあれば、漬物、お茶、佃煮などを購入することもある。定番は名物の「塩大福」。1個120円。6個詰めのパック入りのものでなく、バラ売りのものを2つ買う。「馴染になったお蕎麦屋さんに立ち寄るのも楽しみです」といって笑顔をみせた。
杉並区からやってきた2人連れのOLは20代半ばで高校時代からの友人である。用事で池袋にやってきたついでに地蔵通りに立ち寄ったところその魅力にハマってしまったという。
連れのひとりは「八目うなぎのかば焼きなどはほかではあまりみられない。個性的な店舗が多く、サブカルチャーとしても眺めるのも面白いですね」という。女性たちに地蔵通りが注目されている背景には昭和ブームがある。昭和30年代の東京・下町を舞台にした映画『ALWAYS三丁目の夕日』(2005年)が大ヒット。各地にテーマパークができた。
その昭和の面影をそこはかとなく残しているのが地蔵通りである。都内の金融機関に勤務する30代の女性はこう言う。「個人的には東京スカイツリーよりも東京タワーのほうが好き。スカイツリーはいまお祭りムード一色でしょう。人がたくさんいるところって足が向かないですね。商店街にしても地蔵通りみたいなレトロなところが肌に合っている」。もうひとつは昨年の大震災。地震、津波、原発事故で国民の多くが「家族」「優しさ」「愛」「絆」ということを改めて考えた。大震災をきっかけに両親や祖父母になにかプレゼントしたいということで地蔵通りに足を運ぶ女性が多い。
もともと客層の年齢が高いために漢方や高齢者向けの肌着、衣服を扱っている専門店の品揃えは充実している。それを知って娘が60歳の還暦を迎える母親にお祝いの赤いショーツやインナーを贈るために遠方からやってくる。
喜寿(77歳)、米寿(88歳)になる祖父母のために孫娘が祝着セットを購入する姿も珍しくない。こうした風景は少し前まではあまり見掛けなかった。地蔵通りはおよそ800メートル。商店街に加盟している198店が軒を連ね、4のつく地蔵尊縁日には露店やフリーマーケットが200店近く立ち並び、独特な賑わいをみせる。
「地蔵通りのイメージは大切に守っていきたいけれど、若い人にきてもらうことで売上げにも繋がり商店街の活性化にもなる。いまふうの店も出来てきたし、ちょっと前までの『おばあちゃんの原宿』という感じではなくなってきた。正直、複雑な気持ちですね」(商店街関係者)。シニア向け特集記事
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