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手厚い介護も良し悪し?

2012/6/3  涼子 さん

シニア|老人ホーム
ご近所の方が老人ホームに入居したのは2年前。
仲良くしていた方だったので、今もちょくちょく面会に行っています。

しかし・・・その中でとても気になっていることがひとつあります。
それは、その方が会うたびにどんどん動けなくなっていること。

もちろん、老人ホームに入るくらいですから、多少の介護は必要ではありましたが、それでも入居したての頃は、ゆっくりではあるけれど、杖をつけば歩ける状態だったのです。
それが、あっという間に車椅子生活になってしまいました。

その方は元々、怪我が原因で杖が必要になった、というだけで、まだ70歳になったばかりですから老衰によって足が弱りきった、となるのは早すぎる気がしたのです。

ある日、その方の娘さんに、話を聞いてみました。

すると、「入居してから介護度が上がってしまい、今では要介護4になってしまっている」「お母さんは不満は言わないけど、とんでもない老人ホームに入れてしまったのかもしれないと少し後悔しています」と、落ち込んだ顔で話してくれました。
今から老人ホームを変えようにも、「今の老人ホームに支払った入居一時金の払い戻し額も少ないし、新しい老人ホームでまた入居一時金がかかる」と考えると、金銭的にかなり厳しいそうです。

ご近所の方が入居している老人ホームは、安心できる手厚い介護が売りとなっており、私も最初は「いいところに入ったね」などと話していましたが・・・確かに、面会時に周りの様子を見ていると、「過剰に介護しすぎなのでは?」と思える部分を感じたことは何度かあったのです。

確かに、ホーム内で転倒でもされて、事故が起こるのは怖いと思いますが、何もかもをヘルパーがやって、入居者の動く機会を奪ってばかりでは、体が弱るのも当たり前だと思いました。

ご近所の方も、手厚すぎる介護によって、何もせずとも良くなったことが仇となり、どんどん動けなくなってしまったのでしょう。

聞くところによると、老人ホームにとっては、介護度の低い入居者が多いよりも、介護度が高い入居者が多いほうがやりやすい、という側面もあるそうです。
介護度がなまじ低いと、その人のペースに合わせた補助的な介護で時間を取られる上に、介護保険で入る報酬も低いのですが、介護度が高ければ報酬が多くなるだけでなく、介護自体がヘルパー主導になるので、その分スムーズになるのだとか。
たとえば「要介護1の人の、杖でのゆっくりとした自力移動を介助する」よりも、「要介護4の人の車椅子をヘルパーが押して移動する」というほうが、はるかに早くて済むといった感じらしいです。

ご近所の方が入った老人ホームが、そういう意図で手厚すぎる介護をしているのかどうかは分かりませんが、私自身としては「手厚い介護を売りにしているところを過信するのも問題かもしれない」と、思うようになりました。

私も、老後の生き方の選択肢のひとつとして、将来は老人ホームに入居する、という可能性も大いにあるのですが、こうした点もしっかりと見て、後悔しない選び方をしたいものです。

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