加齢臭・・・もっと寛容に
2012/6/20 秀太郎 さん
最近、電車に乗っていて感じることがある。他の座席は埋まっているのに自分の隣のスペースだけが空いているのだ。思い過ごしかも知れないけれど、なんで? となる。
別に座ってくれなくてもいいけど、どこか取り残されたような気分になって袖口を何気なく嗅いでいる自分が情けない。嗅覚は記憶を取り戻すのに敏感である。少し前、車内で乗り合わせた50代後半とみられる男性が放っていたふわっとした臭いをどこかで覚えている。
タバコでも、汗の臭いでもない、強いていえば半年ぶりに開けた襖の奥から漂ってくるカビ臭さだろうか。
件の男性の身なりはくたびれた衣類をまとっているわけではなく、ごくふつうのサラリーマンといった感じである。もちろん、当の本人は自分の加齢臭にはまったく気づいていない。じつはこれが事を複雑でやっかいなものにしているのだ。臭いはプライベイトな問題なので職場などではあまり触れたがらない。家族は指摘しないのだろうかといぶかしく思い、知らずしらずのうちに男性の姿に自分を重ねていた。臭いも20代なら笑ってすませられるが、加齢臭となると、人間の尊厳の問題にかかわってくることもあるので、臭いを放つほうも、感じる側もナーバスにならざるを得ないのだ。
加齢臭の原因は一言でいうなら皮脂の老化によるものである。
高齢化社会。
個人差はあるだろうけれど、加齢臭は性別に関係なく高齢になれば共有しなくてはならないものである。それなのに、嫌われもの扱いだ。
街のドラッグストアを覗いてみても消臭剤を始め、シャンプー、石鹸などからビタミン、カテキン、ポリフェノール、Bカロチンなど加齢臭に効果のあるといわれる成分のはいったドリンクまで揃い、まさに、加齢臭撲滅にやっきである。メディアもしかり。
雑誌、テレビなどでもこの手の企画は目白押し。読者や視聴者の関心が高いうえに、結論ありきで形にしやすいという側面があるからだろう。オチは決まってストレスを溜めないで、規則正しい食生活を心掛けること。だから、どうなのといいたい。昭和30年代後半から40年代に掛けての高度経済成長期の以前は、加齢臭はふつうに受け入れられていたはず。おじいちゃん、おばあちゃんが日向の臭いがするのは当たり前だった。時計の針を戻してみようとまではいわないが、自分も含めて加齢臭に対し、もう少し寛容になれないものだろうか。
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