世相を斬る!(44)性急な原発ゼロより、漸減を
2012/8/17 臥龍 さん
毎週国会や首相官邸の周辺に、原発反対のデモが押し寄せています。
今年3月から始まったこのデモは、ツィッター等のソーシャルメディアの呼びかけで参加した人たちが多く、時代を反映したものといえます。デモの規模、継続期間など、これまでにないうねりを見せていることも見逃せません。
東日本大震災に伴う東電福島第一原子力発電所事故が、その運動エネルギーを支えているといえるでしょう。確かに、あれだけの事故を起こし、今なお、多くの地域の方々が避難生活を余儀なくされていることを思えば、原子力発電所は二度とご免、と言う気持ちになるのは当然です。
ただ、電気は、私たちの生活になくてはならないエネルギーであることも事実です。
電気のない生活は、現代では考えられません。
その電気を、どのようなエネルギーでまかなうか、政府は現在、そのエネルギーの割合をめぐって、国民との議論を続けています。事故以前の電気は、その3割を原子力発電に頼っていました。
しかし、事故後、安全点検のため、原発の稼働が一時的にゼロになる事態も生じました。
そのため、「原発がなくてもやっていける」と言うムードが高まったことは事実です。
しかし、それは一時的なことであり、長期にわたって日本の経済、社会を支え続けるわけにはいきません。現在検討されている政府の案では、2030年までに原発依存度を「ゼロ」「15%」「20~25%」にするという3案が示されています。
原発を30年までにゼロにする場合、専門家の試算では、太陽光発電などの再生可能エネルギーを現状の3.5倍にする必要があります。
それでも電気代は現在の2倍以上になるといいます。「省エネを徹底すればできる」という意見もありますが、問題は、電気を使う多くの企業が、コスト上昇で悲鳴を上げるという点です。
日本の経済を支えている、中小企業をはじめ、産業、商業・流通部門など、エネルギーコストの増大はこれら企業の経営を立ち行かなくし、そこで働く多くの人たちに多大な影響を及ぼします。
賃金カットやリストラの拡大は、不況を深刻化させ、私たち自身の生活にハネ返ります。原発は何より安全性が最重要視されなければなりません。
その上で、現在稼働できる原発を動かし、その間、再生可能エネルギーの設備・建設・稼働コストを引き下げ、近い将来、徐々に原発に代替するという方向が、経済への影響を最小限に抑える点で望ましいと考えますが、いかがでしょうか。世相を斬る!
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