世相を斬る!(46)被災地復興予算の疑問
2012/8/31 臥龍 さん
東日本大震災による被災地の復興が急がれており、政府はそのための予算を積極的に計上、執行を急いでいます。
それはそれで結構なのですが、予算の中身を見ると、必ずしも、復興に直接的に必要なお金ばかりではないようです。
中には、どうしてこんな補助金が、と思われるような予算もあります。
復興に名を借りた、各省庁の便乗予算ではないか、との疑問をぬぐえません。
一方で、財政節減を進めながら、こうした形で歳出が膨らむのは、役所の常套手段ではありますが、消費増税で負担を強いられる国民は、こうした国のやり方を厳しく問わなければなりません。新聞報道によると、昨年7月に決まった復興予算基本方針では、「5年間で計19兆円」の投入が決まり、来年度予算では、概算要求の「一律削減」の枠を復興予算に限って外し、「青天井」で要求できることになりました。
これまでに計上された復興予算は、2011、2012年度の2年間で、すでに14兆円近くに達し、全体の7割以上を消化した計算になります。
来年度分を見込むと、消化率は95%と、ほぼ復興予算枠を使い切る形になります。「なくなれば、また増額要求だ」と言う関係省庁の声が聞こえてきそうですが、こうした野放図な予算増額を許すわけにはいきません。
役所の便乗予算の典型は、「東北初」と銘打った介護ロボット開発会社の設立です。
実は、この会社の設立は、数年前から検討されていたようですが、実際に事業として成り立つかどうか疑問だったうえ、多額の資金が必要だったので、設立を先延ばしにされていたようです。
そこへ、経済産業省から、「復興予算の補助金があるから、是非設立を」と言う誘いがあり、2億円近い補助金が計上されたということです。経済産業省は、もともと、医療イノベーションと銘打って介護ロボット事業の推進を検討していましたが、なにせ財政支出削減を迫られるご時勢、日の目を見ることがなかったようです。
そこへ東日本大震災という“天佑神助”。
難なく復興予算にもぐりこませることができたというわけです。
こうした便乗型の予算要求は“氷山の一角”であり、予算を詳細に調べれば、数多く出てくると思われます。被災地の復興に本当に役立つのかどうか、改めて問い直す必要がありそうです。
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