時間に追われない素晴らしさ
2012/9/20 悠楽町 さん
夫は現役時代は非常に仕事が忙しく、毎日帰宅は夜遅く、さらに休日出勤も当たり前という状態でした。当然、家のことは私がすべて引き受けており、そのこと自体には不満は全くなかったのですが、唯一の不満と言えば「家族旅行の思い出がほとんどない」ということだったのです。これまでに数回、1泊2日の近場に家族旅行に行けただけで、あとは私と子どもだけでの国内旅行をするのが精一杯でした。そんな夫も今年で定年退職となり、今までの忙しい日々とはうって変わった生活を送ることとなりました。私としてはこれまで激務だった夫がようやく休めると思って喜んでいたのですが、夫はどうしても「忙しいのが当たり前」というのが身に染み付いているのか、何かやることを見つけなければいけないという意識が強く、退職後の生活にはまるで慣れないようでした。
そんな中、次女が結婚することとなり、その結婚式をバリ島で挙げることが決まったのです。
新婚旅行を兼ねての結婚式ということだったので、私たちへのお披露目は、それから帰ってきてからするのだろうと思っていたのですが、思いがけない申し出がありました。
なんと、双方の親を、10日間もの間バリ島に招待してくれるというのです。「お父さんとお母さんには一度でいいからゆっくりと旅行を楽しむ機会を持ってほしかったから、ぜひバリ島まで来てほしい、彼も賛成してくれた」と。その心遣いに涙が出ました。
バリ島の旅行プランは、一日だけ市内観光があり、あとは挙式日を除けば自由行動日。夫は出発前は「外国で自由行動といっても、一体何をすればいいのか」と言って、旅行のガイドブックを買いあさり、自分でプランを立てようとしていました。
そしていざバリ島へ出発。市内観光も含めて、最初の3日くらいはあちこち出歩いていたのですが、その後はホテルや目の前のビーチでのんびりすることが多くなりました。「何もせず、ただボーッとしているのが心地よい」という状態になったのです。
そしてある日、夫は、これまで肌身離さず身につけていた腕時計を外しました。そして「なんだか、ここに来てから時間を気にすることがなくなってきた気がする。時間に追われる必要がない、というのも、慣れてみるといいものだな」と。
そう、バリ島の大らかな時間の流れが、これまで時間に追われることばかりだった夫の心をほぐしてくれたのです。
帰国後も、夫はかつてのように「何かやらなければいけない」という考えにこだわったりすることがほとんどなくなりました。退職後だからこそ実現できる「ゆっくりした生活」を楽しもうという意識が出てきたようです。本当に、次女夫婦のおかげです。
日本人はどうしても時間に追われることが普通、という状態になっている人が多いと思うのですが、そういう人はぜひ一度、「時間に追われる必要がないところ」まで旅行に行ってほしいと思います。追われる必要のないものに追われて心身に余裕のない生活を送るのは、健康にも良くないと思いますから。
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