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シニアの声(1)共通テスト公表の是非

2012/10/5  かざぐるま さん

定年後の生活
大阪府泉佐野市の市長が、小中学生学力テストの学校別成績を市のホームページで公表したことが、ちょっとした波紋を投げています。
この学力テストは、大阪府が小中学生の学力向上をめざして、独自に実施しているものですが、府の教育委員会は「学校や地域の序列化につながる」として、公表しないよう求めています。
また、小学校の管理職の先生方も「学校の質を格付けすることになる」として、公表に疑問を呈しているようです。

児童の学力低下が近年、問題となっていますが、その背景には、こうした学力テストや児童生徒の試験の成績の公表をできるだけ避けようとする、学校、PTAの風潮があるように思えてなりません。
確かに、その理由は分からないわけではありません。
「子供の能力を学力だけで評価すべきではない」「学力を他人と比較して優劣を競うことは、子供を差別化することになる」等々の意見です。

子供はさまざまな能力をもっており、それを最大限に引き出すのは、学校や親の務めであることはいうまでもありません。
しかし、現実問題として、能力を引き出すためのある程度の基準がないと、そのための努力の成果、進歩の度合いなどを把握することができません。
抽象的に、能力、才能を引き出すといっても、客観的なものさしがないと、本人はもちろん、指導する先生方にとっても、努力のし甲斐がないのではないでしょうか。

逆に、子供を安易な方向に押しやり、先生方の努力不足を見えなくしてしまう恐れなしとしません。
東京都内の小中学校では、とくに公立学校の児童生徒の、学校間、地域間の学力差が大きいといわれて、久しくなります。
そのため、私立の中・高校を目指す子供たちが増え、入試倍率が年々高まっているようです。
親が、より学力の高い、より才能を引き出してくれる学校に子供を入れたいと願うのは当然です。

学力テストや、学校別成績の公表を避けるのは、学校の努力不足が表に出るのを避けるため、と勘ぐらざるを得ません。
私たちシニア世代の子供の頃はいかがだったでしょうか。
学校の廊下に、テストの成績とその順位が名前ごと張り出された記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今では、子供たち、孫たちからそんな話を聞いたことがありません。
テストの成績を公表しないことが、学力低下の要因になっていなければ良いのですが・・・。

シニアの声

(1)共通テスト公表の是非

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