シニアの声(24)骨抜きにされる電力改革案
2013/3/22 かざぐるま さん
今年2月、経済産業省がまとめた「電力改革案」が、骨抜きにされる懸念が強まっています。
この改革案は、東日本大震災とそれに伴う原子力発電所事故によって、低廉で安定的な電力供給が困難になったことから、その解決に向けてのシナリオを描いたものです。改革案の柱になっているのは、発・送電を分離し、発電事業者の新規参入を促すことによって、現在の電力会社の地域独占体制を抜本的に見直すことに大きな目的があります。
しかし、改革案を具体化するための法案提出時期をめぐって、自民党が反発、先延ばしされる見通しとなっています。電力改革に関する検討は、民主党政権のもとで、経済産業省が有識者を集めて設置した「電力システム改革専門委員会」で進められたものです。
検討の中では、従来の火力、原子力などの大規模電源と、電力会社による地域独占に依存した電力供給体制では、立ち行かなくなったとの問題意識が根底にあります。
そうした体制が、電気料金の硬直した体系の要因にもなっているとされています。
そのため、改革案では、現在の体制を見直し、再生可能エネルギーによる発電事業者や電力消費者などの国民すべてに開かれた供給体制を作るべきだという考え方が示されています。発・送電の分離は、これまでも電力改革の度に焦点となってきましたが、いずれも、電力業界やそれに関係する自民党議員によって、葬り去られてきました。
今回の改革案は、安倍政権でも、茂木敏充経産相が「方向性は出ている」と評価していたにも関わらず、自民党の経済産業部会が強く反発したようです。
法案提出時期を先延ばしすることで、改革案をお蔵入りさせようとの意図が見え見えです。大震災から2年、原子力発電所事故による傷跡が依然大きく、事故の収束すらおぼつかない現在、事故を忘れてしまったかのような原子力回帰と、電力供給体制の温存を意図する自民党の姿勢に、怒りを禁じ得ません。
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