シニアの声(30)姑息な消費増税のセール指針
2013/5/10 かざぐるま さん
政府が、消費税増税に際しての小売業界の「セール指針」をまとめたことが報道されました。
消費者庁で今後、具体的な表現等を詰める方針のようですが、その意図するところは、アベノミックスの柱である、デフレからの脱却、すなわち、2%の物価上昇をなんとしても実現したいというねらいのようです。
そのために、従来なら、企業によっては、増税分を吸収していたコスト削減努力を、「まかりならん」というわけです。
自由競争を否定しかねない、姑息な手段といわざるを得ません。セール指針の考え方は、消費税の増税に当たって、これまでなら普通に行われていたセール表示のうち、「消費税」の文言の入った表現は、NGということです。
例えば、「消費税分を値引きします」「消費税を転嫁しません」「消費税分をポイントとして付与します」といった表現です。
企業や小売店に対して、何が何でも消費税を商品価格に上乗せし、物価上昇を後押ししてもらいたいという政府の気持ちがありありです。それなら、どんな表現なら、認められるのでしょうか。
政府の考え方によると、「春の生活応援セール」「夏物衣料を3%値下げ」など、「消費税」の文言が入っていなければOKということのようです。
これらの表現は、企業や小売店が通常の販売合戦として用いている表現であり、さすがに、それらの表現まで禁止するわけには行かなかったようです。「消費税」の言葉が入るかどうか、だけの違いであり、小売業界をはじめ、生活者にとっては、「余計なおせっかい」という気持ちが募ります。
安倍首相が、経済政策として打ち出したデフレからの脱却は、たしかに企業の収益を向上させ、景気回復に一定の役割を果たしていることは事実でしょう。
しかし、景気回復と物価上昇とは、別の問題です。景気回復によって、企業の業績が良くなっても、働く人たちの懐が温まらなければ、消費意欲が刺激されません。
また、企業や小売店にとっては、競争に勝ち抜くことが、大きな課題です。
他店や他社より安い商品を売る事で販売シェアを拡大したいのが本音でしょう。
しかも、そうした競争は、生活者にとっても大いに歓迎すべきことです。
まして、リタイアしたシニア世代にとっては、物価の上昇は、生活を脅かすことになりかねません。企業や小売店の競争に、あれこれ口を挟むことは避けるべきと思いますが、いかがでしょうか。
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