教師の背中
2011/7/10 佐々木 巌 さん子が親の背中を見て育つように、最短でも義務教育の間に出逢う教師の背中を見て子はまた成長するものである。親が「良い先生に当たった」などと云う言葉を良く聞く事があるが、教師も人間なのだから俗に言う「当たり外れ」も実際あるのかもしれない。現代での教師の犯罪行為も度々ニュースに取り上げられ「大外れ」では済まされない場合もある。
私達が子供だった頃の先生達は実に個性的な方が多かった。
今もって忘れられない先生が誰しもの心に必ず一人くらいは存在しているのではないだろうか?
体罰も当たり前の様にあったが、体罰はあくまでも体罰であり、教師による虐待などと認識する者は親も子も居なかった時代だった。
実際私も先生のゲンコツを何度も貰ったが、それについて親がとやかく言う事もなく当の本人も自分が悪いと知っているのでケロッとしたものだった。教師の威厳、人格が崩れていったのと、世の中が乱れ始めた時期はほぼ同時だったように記憶している。
我々も同時に、教師も只の人間であることを気付かされていく事になった。
素晴らしい人格の持ち主だけが教師になっている訳ではないのである。押さえで取った教員免許で就職難の果てに教師になった輩も多くいる。
今では逆に教壇に立ちたくて教師になったという先生の方が少ないのではないだろうか。実際、孫の授業参観を覗かせて貰った事があるのだが、若い担任(20代半ば)の先生は、授業の最中に歩き回る子供を席に座らせる事も出来ず、更に授業中にも関わらず廊下で大声をだして雑談している母親連中に注意する事も出来ずにいた。
酷い有り様に、私は愕然として最後まで見ている事すらできなかった。この若い教師もまた、少子化世代の人間だ。
甘やかされ真綿でくるんだ様に育ってきたのであろうか?
娘に訊いてみると、席替えにも、クラス替えにも親が口を出していると聞いて更に驚いた。
例えば、授業参観の時に席に座っていられないような子と班を一緒にしないで欲しいと電話すると言うのだ。教師がその事を実行しなかった場合は学校に出向いて抗議する親もいる。ここまできたら教師の尊厳など何処にもない。
更に学校側が親に「これも教育の一環ですから」等と言おうものなら、親たちは嘆願書を募り教育委員会に持ち込んでいるというのだ。
結果、若い教師は次年度には転勤している事が多いと聞いた。
親も親なら教師も教師、そして学校側も教育委員会も壊れている。わたしは孫に「あの先生が好きか?」と問いてみた。孫は何の躊躇も無く答える。
「うん!大好き。だけど○○先生になってから、みんなが勉強中うるさくなったんだー。宿題が多いところはちょっとキラーイ。」
子供をまとめる力がないので授業が遅れる、授業の遅れは宿題で補う。
見せて貰った宿題がプリントと、おそらく若い教師の自作の2種類有ったのはその為だろう。親はその事について何の疑問も持っていない。宿題が多ければ勉強する時間も長くなり安心しているのである。我々シニア世代が教師の背中で学んだものは勉強だけではなかった筈だ。教師の人間性に多くの子供たちが魅かれ、憧れ、尊敬していたものだ。
だが、こうした時代を作って来たのも我々世代なのだ。先を見据えて世の中を作る事はできたが、更なるその先は何も見ていなかったのだと、無念に思う。
尻拭いをさせる様だが、若い世代に期待するしかないのだ。シニア向け特集記事
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