私が子供の頃には、町のあちこちで質屋を見かけました。

クレジットカードが一般的なものでなかった時代に、着物やアクセサリー、カメラや時計などといった生活雑貨も、持っていけばお金を貸してもらえました。

現代の質屋は、あの頃の質屋とは比べ物にならないほど立派なものになっています。

ブランド物を多く扱っていて、高級ブティックと大差ないような店もあります。昔ながらの質屋という言葉がそぐわなくなってきています。

ところで、この質屋を装う悪徳商法が問題となっているようです。

この「偽装質屋」は、お金を貸すのが目的ではありません。質草はなんでもいいんです。

身のまわりのものをなんでも受け取ってお金を貸して、高金利の貸付を行うことが目的です。

狙われるのは、質屋という言葉になじみのある高齢者です。

返済は、公的年金受給口座からの自動引き落としサービスを利用したもので、ただでさえ少ない年金をさらにかすめ取ろうとする悪質な手口です。

「お金がないなら、年金を担保に入れて融資することができる」などと言われても従ってはいけません。

ふつうの人は、「借りたものは返さなければいけない」と考えてしまいがちですが、法定利息以上の金利を取る業者は違法です。

また、公的年金の口座から引き落としすることも、法律で禁止されています。

借りたはいいけど、どう考えても利子を多く払いすぎていると気づくのは、請求金額を見た後です。

それでは遅すぎるので、「偽装質屋」という手口があることを覚えておいて引っ掛からないようにすることでしょう。

消費者庁が、警察庁、金融庁、国民生活センターなどと連携を取りながら、偽装質屋に対して注意を呼びかけています。

地方自治体や国民生活センターなどに相談窓口がありますから、このような悪徳業者に遭遇したら問い合わせるようにしてください。

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