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ああ、もうトシだなあ

2013/8/7  落陽 さん

シニア|年齢を感じるころ
ああ、もうトシだなあ、と思う瞬間は経験したことありませんか。私はあります。

神保町のすずらん通り、いわゆる古本屋通りの端、小学館の方の出口の近くに「キッチン南海」というレストランがあります。
小さくて汚い店ですが、昼休み時や夕食時などは、近所のサラリーマンでいっぱいになります。この店の売りは揚げたてのフライやカツ。さくさくしてものすごいうまいんです。

わたしはここのカツカレーがお気に入りで、大学時代からだから、もう三〇年以上、神保町に来たらここのカツカレーを頼んでいるのです。
大学卒業したらそんなにこれなくなって、年に数回というくらいのペースなのですが、それでもなつかしくなって、用もないのに神保町の古本屋街をめぐってキッチン南海のカツカレーを食す、というのが最近の楽しみのひとつでした。

ここのカツカレーは揚げたてのとんかつに、もったりとしたカレーソースがかかって、目立たないけれども学生街らしいボリュームのある一品。
いつもだったらそれを軽く平らげることができるのですが、ある日、それが全部食べられなかった、完食できなかったのです。

その前に打ち合わせで珈琲をがぶがぶ飲んでた直後だったという事情もありますが、ここのカツカレーを完食できなかったというのは、誇張でなく人生で初めてだったのです。
どんなに体調が悪くても、どんなにおなかがいっぱいでもらくらく食べられてたのに、若干とはいえ残してしまったライスとカレーの名残を見ながら、ああ、やっぱり年とったんだなあ、と思わされてしまいました。

それまで結構、ラーメンの大盛りとか、チャーハン特盛りとか平気で食ってて、割と大食いのタイプだったのですが、カツカレーを食えないということは、大げさな話、人生終わったなという気持ちになりました。

年を取るというのはこういうことなのですね。

今まで普通にできていたことができなくなる。食べる量などもそうですし、今までできていた運動ができなくなる。
長時間の仕事に集中力がなくなる。あるいはお酒の量が違ってくる。翌朝残る分が確実に増えている、などなど最初はほんのわずかな兆候で、同じ距離を走っても息切れの度合いが強くなる程度で、走れることは走れたりするんで、なかなか気づかないのですが。

皆さんもそう言う経験はあると思います。

年なんだから仕方がない。あきらめるものはすぱっとあきらめるべきで、年相応のものに変更すべきなんです。
大盛りをやめて普通森にするとか、長距離を一編に走るのではなく二回に分けて走るとか、いろいろ工夫して無理なくやってください。

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