夏は何を読む?
2013/7/23 ブックエント さん
夏になると出版社は恒例のプロモーションを展開します。
世間では学生らが夏休みになり、読書感想文のための課題図書などをせっせと売らなくてはならないからです。で、このプロモではお決まりのように戦前の「文豪」たち、芥川や漱石、太宰に武者小路らの作品が書店の棚に一年に一度の復活祭のごとく並びます。
これらって今の学生らは読んで共感できるのでしょうか。
「坊ちゃん」「こころ」「羅生門」「地獄変」「人間失格」「走れメロス」「友情」etc・・・。私はシニア予備軍の年代ですが、それでも高校生当時、この類はちょっと苦手だったなア。特に太宰は(別に批判・非難ではありません、念のため)。
数年前に小林多喜二の蟹工船が若者の間でリバイバルしたので、何かの拍子にそういうことはあるのかもしれませんが、今もう一回読めといわれても・・・・・・私には無理な気がします(恥)。
だって世の中にはもっと読みやすくて面白い本がいっぱいあるので。さて、個人的な趣味=独断と偏見でこの夏におすすめの小説三冊を選んでみました。
長編は読んでしまったあとの「読破感」はあるものの、途中でくじけるのが心配な方むけに上質な短編を選んでみました。◆浅田次郎「歩兵の本領」・・・青春時代が1960~70年代のシニア世代には共感を呼ぶ青春グラフティー。連作小説ですが、どれもが素晴らしく珠玉の一冊です。
◆角田光代「福袋」・・・題名のようなワクワクした期待はみごとに裏切られます。登場人物たちは今どきのことばでいえば「イタイ人たち」。彼らの思うにまかせぬ人生のひとコマは自分の人生のどこかにダブリます。角田さんの描写力にうなる一冊。
◆宮部みゆき「かまいたちの夜」・・・宮部さんの初期作品。時代物ですがテンポがよく、さくさく読めます。稀代のストーリーテラーならではの、「物語」の醍醐味が味わえます。これで短編にはまったら、アンソロジーはいかがでしょう?
いろいろな作家の作品が一冊につまっているので、自分の好みを見つけるよいきっかけになるでしょう。「意外な掘り出し作家」を見つけられます!
「短編復活」「短編工場」「短編ベストコレクション」で検索するといろいろありますよ。ほかに、字を追うのはどうも疲れた、というときには写真集や版画集、漫画なんていかがでしょう?
◆今森光彦「里山のことば」・・・今森さんの里山シリーズの中でもイチオシです。写真は言うに及ばず、文章も味わい深く、まさに癒しの一冊。
◆川瀬巴水「川瀬巴水木版画集」・・・近代版画作家の画集。高額なので、まずは図書館で借りてみてください。その素晴らしさに圧倒され、ぜひ手元に置いておきたくなったら購入してください。
◆山岸涼子「日出処天子」(ひいづるところのてんし)・・・初めて読んだのは高校時代。あとにもさきにもこれ以上の漫画はないと今でも思っています。聖徳太子と蘇我蝦夷を主人公にした歴史ロマン。騙されたと思って読んでみてください。そこらへんの漫画ではありません!夏だからこそ、ぜひ楽しい読書のひとときを!
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