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日本での安楽死合法化を望む

2013/8/5  美紀子 さん

シニアと病気
先日、16年間家族として共に暮らしてきた愛犬が亡くなりました。
昨年夫が定年を迎え、これからは愛犬が夫ともたくさん触れ合える、と思っていた矢先に癌が発覚、ここまでできる限りの治療をして頑張ってきましたが、ついに限界が来ました。

私たちの愛犬の直接の死因は「安楽死」です。
もちろん、当初は自分たちが愛犬を安楽死させることになるとは予想してもいませんでした。

ですが、いよいよ癌の末期症状で水すらも飲めないようになった時に、獣医師に往診に来ていただいた際、こう言われたのです。

安楽死は、飼い主が愛犬に対して選択してあげられる、最後の治療の手段だと。

この言葉を聞いた時、獣医師さんも、今の苦しみを続けさせるより、安楽死をさせたほうが、と暗に教えてくれているのだろうな、と感じました。
そして夫婦で悩みに悩んだ末、翌日に自宅にもう一度獣医師さんに来てもらい、夫婦で愛犬を抱き、撫でている中で安楽死をさせたのです。苦しむこともなく、スッと眠るように旅立っていきました。

苦しい選択でしたが、間違った選択ではなかった、と思っています。
末期の症状は本当に苦しそうだったので、そこから開放してやりたかったのです。

しかし、そこで思ったことが、「そう言えば、日本では人間の安楽死は認められていないな」ということです。

これはどうにかならないものでしょうか。

私は3年前に、兄を肝硬変で亡くしています。
末期の症状は、肝性脳症による意識障害がひどかったこともあり、それはもう壮絶なものでした。最後は深い昏睡に陥って息を引き取りましたが、その時に私が思ったことは悲しみよりも何よりも、「やっと楽になれたね」ということでした。
兄の苦しみようを見ていただけに、そこから開放されたことへの安堵が大きかったのです。

もし自分が、兄や愛犬のように、何かの病気で厳しい末期症状が出たらどう思うか、というと、やはり、安楽死を選べるものなら選ばせてほしい、と思います。
しかし日本で認められているのは、せいぜい延命治療拒否の意思表示程度。「安楽死させて下さい」と医師に頼んでも、当然の事ながらやってもらえる状態ではありません。

以前、麻生太郎氏が延命治療を否定し、安楽死を容認するかのような発言をして物議を醸しましたが、あれは言い方やマスコミの捉え方が悪いだけであって、本質をよく見てみれば、実は私も含めて多くの人が望んでいることなのではないかと思います。

安楽死が認められれば、それは生死に関して当人の意志が一番尊重されるということにもなりますし、安楽死を望んでいる人に対して望まれない延命治療をするための医療費もかからない。
当人にとっても国にとっても、マイナスになるものが大きいとは思えません。

先進国の中でも安楽死を合法化している国があるのですから、日本もしっかりと検討するぐらいのことはしてもいいのではないでしょうか。

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