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シニアの声(42)製薬会社との癒着を断ち切れ

2013/8/2  かざぐるま さん

定年後の生活
製薬会社ノバルティスの高血圧治療薬「ディオバン」の効果を調べる臨床研究で、データ操作の不正があったことが明るみに出ています。
不正が確認されたのは、京都府立医大と東京慈恵会医大で、いずれも大学側の調査によって、明らかになったようです。

調査結果によると、ノバルティスの元社員が、臨床研究にかかわり、「ディオバン」が有効であるかのようにデータを操作したとされています。
しかも、ノバルティス社から、臨床研究を行った大学研究室に、奨学寄付金の形で、多額の資金提供がなされたということです。

製薬会社と医療研究者との癒着の構図は、これまでにも指摘されていましたが、マスコミなどで明るみに出ることは比較的少なかったと思われます。
というのも、医療分野、とりわけ臨床研究は、専門的で、高度な知識を要するといわれてきたからです。
医療研究者の間でさえも、臨床研究について精通している人は少ないようです。

今回のデータの不正は、そうした臨床研究の分野で行われたことであり、専門的知識を持った研究者が少ないことから、製薬会社の元社員に、データ操作を、いわば、丸投げした形になったようです。
これでは、製薬会社の思うツボであり、データを治療薬の効果を高めるのに都合よく操作したとされても、反論の余地はありません。

まして、大学の研究室、あるいは、研究を担当した教授に、数千万円の資金が流れているとあっては、大学は、製薬会社の広告宣伝に加担しているようなもの、と言わざるを得ません。

大学や医療研究者と製薬会社との関係は、相互に持ちつ持たれつの側面があることは否定できませんが、事は人命に関する治療薬の臨床研究です。
そこに不正が行われることは許されることではありません。
大学などの研究者と製薬会社との癒着を断ち切るためには、第三者による公正な臨床研究機関の設置や、あるいは、国による強力なチェック機能の検討が急がれます。

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