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万引き高齢者よ、恥を知れ

2013/8/20  多恵子 さん

定年後の生活
先日、非常に嘆かわしいニュースを見かけました。

65歳以上の高齢者の万引き件数が、19歳以下の少年万引きの件数を上回ったというのです。
東京都内だけの調査の結果ですが、全国でもおそらく、似たようなことが起こっているのでしょう。

高齢者が万引きする品の7割は食料品だそうで、よほど食べるものにも困っているのかと思えそうな数値ですが、実は万引きの理由で「生活困窮」を挙げる人は、万引き者の約3分の1しか居ません。
つまり万引きする人のうち3分の2は、生活に困ってもいないのに、万引きをしているということなのです。

少年のスリルを楽しむような万引きももちろん許せない犯罪ですが、高齢者のこうした万引きも、何と恥知らずで愚かなことなのか、と思います。

実は私も、一度だけ高齢者が万引きをする瞬間を見かけたことがあります。近所のスーパーの和菓子コーナーで、私より少し年上の世代とおぼしき男性が、いくつかの和菓子を買い物かごに入れつつ、ひとつだけ上着のポケットに入れる瞬間を見ました。

すぐに店員を探して、「あの人が今さっき、上着の右のポケットに和菓子を入れるのを目撃した」と伝えたのですが、その店員さん曰く、店の人がその目で万引きの瞬間を直接見ていない限りは、うかつに問いただすこともできない、と言うのです。

結局その万引き犯は、和菓子の万引きを咎められることもなく、のうのうと店を出て行きました。
犯行現場をこの目で見たのに何もできない悔しさと、その万引き犯に対する「いい年をして、恥を知れ」という気持ちが強く出たのを今でも覚えています。

和菓子を買うお金がないわけでもなかろうに、なぜひとつだけ盗んだのか、その心境は理解できるものではありませんが、万引きの常習犯とは、たとえお金に困っていなくてもそういうことを発作的、習慣的にやってしまう病気のようなものなのでしょうか。

何にせよ、「若者よりも高齢者の方がよく万引きをする」などという世の中では、若者に対して偉そうに人生の先輩風を吹かせたり、「近頃の若い者は」というようなお決まりの台詞を言う権利もない状態なのではないでしょうか。

もちろん、万引きなどという馬鹿なことをする高齢者はごく一部にすぎませんが、もっと高齢者のモラル向上を世の中全体で働きかけていく必要があるのではないかな、と思い始めています。

「万引きをしてはいけない」などという基本だけに関わらず、この年代にもなると、日常生活では「誰かからマナーやモラルを教わる」という機会がまったくと言っていいほどありません。高齢者の上に立つ者が居ないのです。

注意してくれる人、たしなめてくれる人が居ないような状態で歳ばかりくってしまうと、若い頃から元々マナーやモラルが多少不足していたような人の場合だと、高齢になればなるほどその部分が増長してしまうのではないかなと思うのです。

何にせよ、これ以上「恥知らずな高齢者」が増えないことを祈りたいものです。
まともな高齢者まで、肩身が狭くなってしまいますから・・・。

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