同時に得られたやりがいと出会い
2014/7/28 ひきたてんにょ さん20年以上も前、まだ働き盛りだった夫を亡くして、しかも夫婦間には子どもが居なかったため、私は長い時間を一人で生きてきました。
一人暮らしは誰に気兼ねすることもない、という点では気楽なのですが、やはり一人では埋められない寂しさというのはどこかにあります。そんな私でしたが、ある日ふらっと喫茶店を訪れたことで、生活に大きな張りが出てきたのです。
喫茶店のカウンターででたまたま隣にいた同年代の男性と話をしたのですが、その人は老人ホームなどの施設で、マッサージのボランティアをされているとのことでした。「マッサージができるなんて、ホームの人たちも喜ぶでしょうね、私が得意なものと言えば、10代から20代の頃に必死に覚えた昔ながらのマジックぐらいなものですよ」と笑いながら、手持ちのハンカチでできるちょっとしたマジックを披露すると、「すごいですね、こんなマジックならマッサージ以上に人に喜ばれますよ」と言われたのです。
そして、「もしご負担でなければ、マジックのボランティアをやってもらえませんか」と持ちかけられたのです。
それは面白そうだと賛同し、さっそく、あちこちでマジックのための用具を買い揃え、昔を思い出しながら必死に練習しました。最初のボランティアは、近くのグループホームのお誕生会でした。
私ができるのは古く原始的なマジックばかりだったのですが、それでも手を叩いて喜んでくれる人、あっけに撮られたような顔をしてくれる人がいて、思った以上に手ごたえを感じました。これをきっかけに私は、ボランティアでのマジック披露に、大きなやりがいを持てるようになったのです。
先月の中旬は、イベントが各施設であったため、まさに引っ張りだこの状態でした。
一日に複数の施設を回って、すべてのイベントをこなしたあとは、さすがにへとへとに疲れてしまいましたが、「これだけ私のマジックを必要としてくれているところがある」というのは嬉しく思います。もっとも、こんな調子でマジック披露を繰り返していては、いつかは私のマジックのタネも尽きることでしょう。
しかしタネが尽きるまでは精一杯、このやりがいのあるボランティアを続けさせて頂きたいと考えています。そしてこのボランティアを通して、嬉しいことがもうひとつありました。それは、あの喫茶店でボランティアの話を持ちかけてくれた男性と、親しいお付き合いをさせて頂けるようになったことです。
ボランティアの種類がまるで違うので、一緒に施設に行くことはほとんど無いのですが、ボランティアのやりがいと喜びを知る者同士として、週に一度は必ず会い、仲良くお話させて頂いております。
その男性も配偶者を十年以上前に病気で亡くされている、ということで、死別経験者としても気持ちを分かち合うことができるというのも、私にとってはとてもありがたいことです。
もちろん現段階では、この男性との関係はあくまで「良きお友達」なのですが、できればいつか、お互いの立場と気持ちを分かり合えるもの同士として、自然な形で再婚できるまでの関係になれれば、とも考えるようになりました。
相手の気持ちもあってのことなので、そこまでうまく事が運ぶかどうかは分かりませんが、この半年足らずで、今までになかったやりがいと出会いを一気に得られたことに、しばらく忘れていた「人生の幸せ」を感じている次第です。
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