定年生活.com トップ» 学ぶ » シニアの声(28)シニアの地域間格差を助長?

シニアの声(28)シニアの地域間格差を助長?

2013/4/19  かざぐるま さん

定年後の生活
安倍首相が産業競争力会議で「アベノミックス戦略特区」構想を打ち出しました。
この戦略特区は、特定の地域を限って、大胆な規制緩和を進め、これらの地域を「世界一のビジネスゾーン」にするという内容です。
対象となる地域は、東京、大阪、愛知の3大都市圏で、企業減税や有料道路、医療などのインフラ整備を進め、産業の国際競争力を高めるのがねらいです。
政府が6月にまとめる成長戦略の柱にする方針のようです。

この構想で想起されるのは、昭和40年代に日本の高度経済成長を推し進めた日本列島改造計画や、東海道メガロポリス計画などの戦略です。
これらの戦略によって、日本は東京オリンピックを契機に、急速な経済発展を遂げたことは事実です。
しかし、そのシワ寄せ、ツケは、公害の深刻化、東京一極集中と地方の疲弊などの形で表面化したことは、周知のとおりです。

今回の戦略特区構想も、中身こそ違え、その意図するところは、「景気対策」「経済成長」であることは間違いありません。
その最大の問題点は、ここ数年広がっている格差社会が、この構想によって、一層広がりかねないことです。
現在、所得の世代間格差や資産格差などが広がっているといわれますが、戦略特区構想は、新たに地域間格差を広げることになりかねません。
3大都市圏と地方との社会・経済基盤の格差は大きいといわれます。

とくに見逃せないのは、高齢者を含めたシニア層の雇用・所得格差です。
地方は、大都市圏に比べて高齢者割合が多く、しかも、その生活は、多くが2世代、3世代家族によって支えられているといわれます。
また地方には、高齢者が働ける企業も少ないのが実情です。
大都市にも年金だけに頼るシニアは多いのですが、それでも、シニアの雇用環境は、地方よりも恵まれています。
大都市圏には、事業所得や、資産所得のある、経済的にゆとりのあるシニアも地方に比べて多いといわれます。

アベノミックス戦略特区構想は、大都市圏の事業経営者や、定年後も企業で働き続けるシニア、若い人たちには大きな恩恵をもたらすとみられますが、地方のシニア、高齢者にとってはその恩恵はきわめて薄いといえるでしょう。
大都市圏と地方とのシニアの地域間格差は広がる一方のようです。

シニアの声

(26)夢のない若者たち

(27)アベノミックスに挑戦する吉野家「牛丼」の値下げ

(29)「解雇の金銭解決」は是か非か

シニア向け特集記事

<お金や暮らしに関する特集>

 
老後の不安
(1)健康・お金  (2)働く  (3)過ごし方

老後の計画
(1)お金  (2)個人年金保険  (3)医療保険  (4)確定申告  (5)住宅ローン  (6)老人ホーム

老後の生活と年金
(1)把握編  (2)対応編  (3)独立編

定年後の生活費、どれくらい必要? / 退職時の貯蓄、どれくらい必要? /
年金生活・・・老後のお金について考える

定年後
エンジョイライフ / 貯金半減 / 月20万で楽々 / 無収入・一人暮らし /
健康オタク / 熟年離婚 / 熟年結婚 / 教育費貧乏

シニアの群像
(3)田舎暮らし  (4)海外暮らし  (5)野菜づくり  (6)写真展 

<働くことや仕事に関する特集>

元気で働く
64歳男性、看護 / 63歳女性、保育補助 / 58歳女性、クリーニング&パン

定年後
まだ働いています / 仕事がしたい  /  60歳からの働く /
会社に残れたものの / 早期退職か居座りか / 失業しています

定年後も働こう|定年後の独立開業 / シニア夫婦が自宅でしている仕事

シニアの群像
(1)異業種交流  (2)職探し  (7)独立開業

学ぶに関する特集・投稿リストへ
 

トップページに戻る



定年生活ではLINEのお友達を募集しています☆以下のQRコードからお友達登録をしていただきますと、LINEだけでのお役立ち情報をお届けします。
定年生活ではLINEのお友達を募集しています