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夏の終わり

2011/8/26  希望の轍 さん

定年生活|夏の終わりもう11年も前のこと・・・。その年の初夏はちょっとブルーであった。銀行の審査部に所属していた関係でS百貨店の大阪本部に派遣され、他の銀行に債権放棄のお願いをして回るはめになったからだ。つい昨日までは「貸した金は返してもらえ」などと指示を出す仕事だったのが、ある日突然百貨店の社員になって「借金を棒引きしてほしいんですわ」と銀行に頼んで回るのは、なかなかの喜劇であり、当然ながら相手は「アホンダラ、何いうてけつかるねん!」と宣うことになる。(本当はもっと丁寧に依頼し、もっと丁寧に罵倒されます)

大阪は暑い。湿度が高く、陽射しも強い。ビルを出れば、バットでガンと殴られるような暑さ。銀行に行けば言葉のパンチがボコボコと飛んでくる訳で、御堂筋をうろうろしながら、一日に10回以上もガンボコを頂戴するのは、修行僧にでもなった気分。マスコミを始めとする大ブーイングの中で、それでもガンボコのラッシュを受け続けたのは、自分なりの立場で日本を何とか良い方向に変えたという気持ちもあったからだ。・・・だが、幸か不幸か債権放棄案件は頓挫して法的整理の世界に入り、8月には東京の職場に戻った。

お盆過ぎにサザンのコンサートが家の近くで開かれた。チケットは取れなかったが、海に近い野球場でのコンサートだから海岸で聴くことにした。前を見れば海面に突き出た烏帽子岩、後ろからは「エーボーシー、イーワガトオクニミエルー」と桑田クンの歌声。

いろいろなことがあった夏の日々がふと甦る。なぜか急に「そろそろ好き勝手に生きてみようかな」などと怪しげな考えが頭を擡げ、思わずニヤリとした。心の中で何かが弾け飛んだのかもしれない。これまでとは全く異次元の世界、「無職、日課は読書」という些か風変わりな世界への扉が、ごく僅かだが開いたのであった。

2000年8月。会社を辞める約二年半前。海は、夏の終わりの気配が漂っていた。

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