同窓会と家庭の平和
2011/8/30 石部金吉 さん年を重ねる程に一時的な学生時代の思い出なんてと疎ましく考えてしまいがちですが、定年を迎え会社と言う歯車から外れて生きている我々にとって「大きな出会いの場」である同窓会に行く事になりました。
ついつい内向的になり易い我々にとってはいいチャンスですがもう若くはありません。学生当時、好きだった子の思い出を同窓会に行く事でかき消されるかもしれないと不安に駆られました。「深く考えすぎだ」と言われればそれまでですが、老いてしまった好きな子の姿を見るのも嫌ですし、だんだんと複雑な気持になりました。
同窓会を躊躇しようとしたその時、電話が鳴り響きました。相手はなんと昔の恋人でした。行けるのなら是非会えたらいいなと都合よく電話が掛かってきたので行く事になりましたが・・・。
結婚をしている身分であり妻も居るのに「元恋人に会う為に同窓会へ出向く」なんて口が裂けても言えません。
成人になった息子や娘にはどう言えばいいのか。余りにも同窓会に出席する動機が不純すぎる。私は断腸の思いで同窓会の誘いを断りました。「ああ、いい好機を無駄にして全く」と仲間から言われましたが、これも自分の為です。
後から聞いた話ですが、私が不参加である事で意中の人は不機嫌になったと言うことで、その場を繕う為に大変な思いをしたと聞きましたが、そんな苦労に比べたら、こちらは離婚が掛かっているし、嫁は嫉妬深い女でこれまで何度言い合いになったか数え切れません。家庭に波風を立ててでも同窓会で思い出に浸るなんてそんな事は私には出来ません。昔の思い出はそっとしておきたかったのですから。
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