日本の医療は大丈夫かという4診の話
2011/9/12 ブラックジャック さん最近、病院の外来に行くと気になることがあります。
医師が体に触れないのです。その外来は医師の持ち回りで、ベテランの医師のこともあれば新人の医師のこともあります。特に若い医師は患者の体に触れようとしないのです。別に触ってほしいだけではありませんが、医師は机の上のパソコンを操作して、データを取り出したその数字を眺めているだけで、患者の方に目を向けようともしないのです。
昔の医師だったら、必ず患者に触れました。脈を取り、胸と背中に聴診器を当て、背中をとんとんと軽く叩いて診断するのです。これを4診といいます。患者に症状を聞いてその答えで患者の状態がわかる「問診」、患部の状態や患者の体調などの全体を見る「視診」、脈や体の反応を見る「触診」、肺等の内臓の状態を見る「触診」の4つで、患者の状態はほとんどわかるものです。医師の基本中の基本なのです。
聴診器を当てるのは基本今の医師はそれをやらない。私が言うのではなく、ベテランの権威ある医師が現実に嘆いているのです。
検査機器が発達して、それをやらなくても病気の診断はできる。血液を採って分析器にかければ、その成分からほとんどの病気がわかります。がんでさえそこからわかるのです。それで病気が疑わしければ、さらに検査にかける。CTやMRIといった体内を画像で表す機械も普及しており、医師は患者の体に指一本触れることなく病気を診断できる時代になりました。
しかし、それゆえに医師は基本の診断技術を覚えない。特に若い医師はそれを教えられないから、まったくわからないです。私自身にもこんなことがありました。ある大きな大学病院の眼科で、若い研修医が私の目の中を見る診断をしました。網膜症の診断は、まずクスリで瞳孔を開いて、十分に開いたところで、医師は眼球内にスポットの光を当て、拡大鏡(虫眼鏡のようなものです)をかざして、眼球の中の状態を見るのです。誰がやっても同じです。
しかしその新米の(おそらく)医師は違いました。自分の目と患者の目の間にかざすだけのレンズを、患者の(私の)目の中にぐりぐりとはめこもうとしたのです。
痛いですよ
あれ、おかしいな
と首をかしげてさらにぐりぐり。
そうやって使うんじゃないんだよ、と私の方が切れてしまいました。看護士もついていなかったから、上の医師を呼んでもらい、交代してもらいました。まさか看護士もこんな暴挙に出るとは思ってもいなかったでしょう
医者でござい、といばっていてもこのレベルなのです。あきれ果ててください。この新米は論外としても、患者との接し方、診断の仕方、音の聞き分け方、など基本を教えられていないのがいまの医師の現状なのです。
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