【懐かしの名作映画】 砂の器
2011/10/12 川喜多夫 さん最近、玉木宏さん主演でテレビ放送されました『砂の器』は、私の好きな作家である松本清張さんの原作です。
過去に、田村正和さん、佐藤浩市さん、SMAP中居正広さんの主演でもドラマ化されていました。
おすすめしたいのは、1974年に映画化された加藤剛さん主演のものです。シニアの方なら、テレビ版よりこの映画版の印象の方が強いかもしれません。あらすじをかいつまんでお話ししますと、駅の操車場で殺害死体が見つかり、今西刑事(丹波哲郎)が捜査にあたりますが、なかなか方向がつかめません。
手がかりとなるのは、被害者(緒形拳)が話していた「カメダ」という言葉ですが、それが名前なのか地名なのかの見当すらつかないという状態で、捜査は難航します。
この殺人事件に、和賀英良(加藤剛)という天才ピアニストの人生がからんでくる、というストーリーです。和賀英良のキャラクターも魅力的で、知的な風貌で影を感じさせる加藤剛さんは、役柄にピッタリ。愛人役の島田陽子さんも、幸薄そうな美人で惹きつけられます。
野村芳太郎監督の演出で、出演者は、加藤剛、丹波哲郎、島田陽子、緒形拳、松山省二、山口果林、穂積隆信・・・という豪華なキャスティングです。
さらに、吉村巡査役で森田健作千葉県知事、今は亡き「フーテンの寅さん」こと渥美清さんが出演しています。この映画のテーマにあるのは、父と子の“宿命”であり、「ハンセン病」にまつわる差別です。
ハンセン病は「らい病」とも呼ばれる感染症で、現在でも、ハンセン病への偏見や差別をなくそうという活動がなされています。
映画の製作当時、「ハンセン病患者は放浪生活を送らざるをえない惨めな存在と世間に誤解される」と、全国ハンセン病療養所入所者協議会から映画の製作中止の要請があったそうです。私は逆だと思います。この映画を見てハンセン病の存在を知りましたし、偏見や差別には怒りを感じます。
『砂の器』は偏見や差別から逃れようとする人が殺人まで犯してしまう映画ですが、偏見や差別が人の心を曇らせるということは、日常的にも多々あると思います。父親がこのハンセン病を患っており、村を追われて行くところなく、小さな子供と二人で放浪の旅をするシーンなど、涙なくしては見られません。
『砂の器』は単なるサスペンスにとどまらず、いろいろなことを考えさせてくれますし、とにかく泣ける映画です。
また、シニアにとっては、今西刑事が全国を旅する風景などに懐かしさを覚えるかもしれません。レンタルビデオ屋さんにお寄りになった際には、ドラマのコーナーをのぞいてみてください。
【懐かしの名作劇場】
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