世相を斬る! (1)「生涯現役社会」は“絵に画いたモチ”
2011/10/14 虎穴 さん今年夏、定年退職した65歳の知人がこんなことを言っていました。「まだ働きたいと思って、ハローワークで職探しをしているが、年齢不問という10件くらいの募集に応募したところ、すべてダメ。職員に尋ねてみると、企業の側は事実上、年齢制限をしているとのこと。やはり若い人を優先しているらしい」。
厚生労働省は今年6月に「今後の高年齢者雇用に関する研究会報告書」をまとめました。この報告書には「生涯現役社会の実現に向けて」と言う副題がつけられています。少子高齢化に伴う労働力人口の減少を跳ね返し、国民すべてが、労働市場に参加できる社会づくりを目指そう、と言うのが報告書のねらいです。短期的には、公的年金の支給開始年齢が平成25(2013)年度から65歳に引き上げられるのに伴い、無年金・無収入の定年退職者が出ないよう、対応策を講ずる必要があるとの判断があるようです。
今、日本の高齢化は急速に進んでいます。平成22 (2010)年に人口が1億2800万人のピークをつけたあと、減少に転じ、平成67(2055)年には9000万人を割り込むとみられています。一方、高齢者人口は増え続け、同年には3600万人に達する見通しです。高齢化率は実に40%、5人に2人が高齢者というわけです。
人口の減少、とくに労働力人口の減少は、生産活動など経済の停滞を招き、国全体の活力を弱めることになりかねません。それだけに、労働力人口を維持し、さらにはその増大を図ることは、日本にとって大変重要な政策課題といえます。報告書がその中で「年齢にかかわりなく、意欲と能力に応じて働くことができる環境整備が必要」と指摘しているのは、むしろ当然のことと言えます。問題は、そのための具体策です。報告書は、定年年齢の引き上げ、再就職支援などのお題目を並べていますが、これらは現実の企業の雇用からは、かけ離れたものになっています。
企業は、大震災後の景気低迷や円高で、賃金カットやリストラを進めています。高齢者雇用どころか、若者、中高年層にまで雇用調整が及んでいるのが現状です。「65歳以上いつまでも働きたい」という高齢者が9割もいる中で、実際の就業率は19%と言う現実。「生涯現役社会」などは“絵に画いたモチ”と、シニアは怒っています。
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