私、今年の2月に白内障の手術をしたんです。蓄膿症の時も病院に行かず、鼻水が垂れるのは老人になったからよ！　と放っておいたら、娘に「バカじゃないの？　お母さん！　誰もお母さんの様に鼻にティッシュを詰めて歩いていないでしょう？」と言われて、遅ればせながら病院に行ったら即入院。大手術に至ってしまったわ。乳癌の時もそう。おっぱいが大きく腫れて何かしら？　と言ったら、また娘に叱られて病院へ。その時も乳房切除と云う哀しい結果になってしまった。今回も、何だか目が見えないわねぇ、疲れでも溜まったのかしら、信号が眩しくて見えないわ、危ないからサングラスでもして･･･そう云えばいつもこんな風にズボラ～っとしていて残念なコトばかり起きていたわね。今回は口うるさい娘に言われる前に病院に行っておかなくちゃ。そう思っていたのに、また遅かったわ。白内障の手術を直ぐにする事になってしまったの。

白内障の手術はとても簡単らしくて、あっと云う間に終わりましたよ。そうしたらですよ、私の目に、何と奇跡が起こったのですよ！　見えるんです！　手術をしたから見えるのは当たり前。そうじゃないんです！　裸眼で見えるんです、何もかもが。
私に「メガネ」と云うあだ名がついて半世紀。メガネを外すと自分の足が何処に有るのかも解らないほどのド近眼だったのに、手術をしたら視力まで良くなってしまったのですよ。

もう、何て顔が軽いのかしら！　天にも昇る気持ちでいっぱいですよ。まだ、天には昇りたくはありませんけどね。でも、１つ困った事が起きてしまったのです。今までメガネをしていたせいで、お化粧なんて適当にしても念を入れても代わり映えしなくて、アイシャドーをべったり付けても誰も気が付かなった私の顔。それが、メガネをしなくなったものですから、どうやってお化粧して良いのか全く持って解らないんですよ。
眉毛もボーボーになっているのが凄く目立っているし、でも、眉毛の整え方も解らない。だって、いつもメガネのフレームで隠れていたんですもの。

仕方ない、また娘に相談してみましょうか。電話をして怒鳴られました。私、白内障の手術をした事を娘に内緒にしていた事をすっかり忘れていたんです。ダメね、ホントに。
散々叱られた後で、メイクの仕方を教わったけど、全然解らないわ、チンプンカンプンよ。
アイブロー何とかだの、ビューラーだの、知らない言葉が次から次へと出てくるんですもの。数日後、呆れた顔をした娘が来て、お化粧品やら眉毛をカットする為の小道具一式（凄く便利よ！眉毛の型まであるのね）を持って来てくれて何とか自分でお化粧出来るようになりました。一件落着～！　となる筈だったのですけどね、もう1つ大問題が私の身に起きていたのですよ。

私、裸眼で自分の顔を半世紀ぶりに見たわけですよ。そうしましたら、あなた、驚きですよ！　色白でシミもシワもないキレイな顔だとばかり思っていたのに、私の顔にはシミも皺もいっぱいあるじゃないですか！　いつの間に。
はぁ～、ため息をつき浦島太郎気分を嫌と云うほど味わった後、奮起致しましたよ。お婆さんは諦めません。テレビで美白美白と騒いでいた意味がようやく解り、只今顔を真っ白にしてパック中ですの。
白内障が治って、視力も戻ったのは嬉しいけれど、本当に今回ばかりは反省致しました。
何かあったら病院へ直ぐに行く事、ですね。

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