孫との週末、夫婦ともに若返る
2011/11/10 孫に遊んでもらうジージ さん日々賑やかだった我が家から娘たちが巣立って五年が過ぎた。結婚、である。仕事ばかりで家庭・育児は妻任せ、妻が大病を患った折には家事一切に関わることなく生活してきた私の面倒まで、娘たちが協力しながら一手に引き受けてくれたお陰で、妻は安心して引き続き療養生活を送ることができた。娘たちが巣立つ前から、自分が定年するまでには、妻に負担を掛けさせまいと、せめて妻と二人で家事分担ができるよう、休日には朝食を作ってみたり、家事で必要なものがどこに納められているのか、少しずつ家庭の中に関わるよう、私なりに努力してきた。
そして娘たちの結婚。定年まではいま暫くの時間があるのだが、これからは妻と二人の生活、いざ実践とばかりに、仕事をしながらでもできる日々のささいな家事を担うこととなった。
最初は慣れない家事であるが故、失敗の後始末に妻の手を焼かせることも多く、それは未だになかなか改善されないこともある。しかし、そこは二人だけの生活、妻もゆっくりのんびり大目に見てくれ、あぁ、定年後はこの延長なのだろうか、何となく張り合いのないものを感じながら静かな日々、二年余りを送っていた。
娘たちが妻の手助けをしてきてくれていたこと、お陰様で私は仕事に没頭することができたのだと、ほとほと感謝の念であった。そんな娘たちが結婚した順に、順調に子供を出産したのは二年ほど前からである。
里帰り出産というらしい、お産の前後3か月、また賑やかな我が家に戻ったのだが、孫が産まれてからというもの、賑やかを通り越して私たち夫婦までも若返ったかのような感覚を覚えるこの頃なのだ。孫はパワーがある。若さか・・・。はたまた無知からか・・・。幼児相手に大声を張る私も私だが、夫婦二人になって少々静かな日々を送っていただけに、最初は戸惑いもあったのだが、今となっては孫と同じ目線で行動を共にしている自分に気づくこともしばしばだ。妻も同様で、孫の遊び相手か家事か・・・家事に関わることを一度は決心した私であったが、こうなっては役目が違うとばかり、再び家事は妻に放り投げ、休日となると孫を連れ出し遊び三昧となってしまった。
そんな私を見て妻は、「自分の子供が小さい頃にはとても見られなかった光景、それだけ家族のために仕事に打ち込んでくれていたのだろうけど・・・まるで若返ったようね」と嫌味を含んだ言い方こそするが、その口調はどこかしら幸せに満ちている、と思ってしまうのは私の一人よがりかも知れぬ。妻も孫の食事におやつ作り、日々楽しみを見つけ出し充実した笑顔を送っていると思うのだが。
娘が結婚した時もそうだったが、家族が増えると楽しみも増える。笑顔も増える。我が家はこれからも増える余地がある。それぞれの孫が一人っ子とならない限りは、であるが・・・。
これでは定年後も忙しいではないか、と孫との遊び計画を日々練っては一人ほくそ笑む私であった。シニア向け特集記事
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