家庭の温かさを感じながら・・・
2011/11/17 恵子 さんようやく安堵の生活を送れるようになり、ほっと一息、少し寒くなってきたこの頃の午後、気の合う友人を招いて、我が家でランチ・ティータイムを楽しむひとときが、今は至福の時間である。
二人の息子がまだ中学・高校生の時に、前の主人と離婚しました。
正確の不一致・・・若かったのでしょう、お互い上手く折り合いをつける術を持ち合わせず、ずっと我慢の日々が続いていましたが、それは相手も同じことだったのでは・・・と最近になって、自己中心的な被害妄想から少し離れた見方ができるようになりました。
そう思えるようになったのも、今の安定した生活があるからこそ、と今の主人には感謝することしかできません。離婚した当初、せめて子供たちに対する母親としての責任だけは果たそうと決心し、二人の息子を連れて当時のマンションを後に、それまで主婦だった何の取り柄もない私が、生活の場所を確保することもままならない状況の中、三人の姉たちにもアパートを借りる保証人になってもらうことを断られ、窮地を救ってくれたのは友人たちでした。
息子たちと三人、おんぼろでも何とかアパートを借りることができ、新たな生活のスタートを切ることができました。それからの生活は、一番お金の掛かる時期である子供たちのため、朝から晩まで三つのパートを掛け持ちながらの生活・・・。一日一日が精一杯の私を、息子たちも手助けしてくれながら、疲れたと言う間もなく我武者羅に日々が過ぎていました。
わずかな資金でブティックを開いてからは経営も軌道に乗り、三人の生活を安定させることができるようになったのも束の間、仕事が楽しいものと思えるようになっていた矢先に、それまでの無理が祟ったそうで、重度の高血圧症を患い、ブティックをたたむまでに追い詰められました。
そんな頃に、友人を介して出会った今の主人。
体のこと、息子たちのこと、それからの生活のことを全て共に引き受けてくれ、軌道に乗っていたとは言え抱えていた借金も全て清算、二人で残りの人生を歩みたいと言ってくれたのです。お医者様からは「風のように静かな日々を送る」よう申し渡されました。しかし、こんな私を受け入れてくれた主人のためにも何とか身体の不調を乗り越えることができ、二人の息子も、今の主人が経営する仕事を手伝い、地元と東京にそれぞれ赴き、社会人としての自覚・責任を持つことができています。
数年前までは、楽しく仕事をしながらも「一体どんな老後を送ることになるのか・・・」という不安がよぎることが多々とありましたが、お世話になり、心配を掛けた友人と笑顔で過ごせる今を送ることができているのも、主人のお陰様。「庭いじりしながらのんびりと生活して欲しい」という主人の願いに反して、日々主人と二人の家庭の温かさを感じながら、今はボランティアに勤しんでいます。
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