世相を斬る! (6)チベットの現状を憂う
2011/11/20 虎穴 さん最近の国際問題をめぐるマスコミ報道は、TPP(環太平洋経済連携協定)や欧州の信用不安一色の感があります。それはそれで、重要な問題ですが、マスコミがほとんど報道しないニュースに、チベット問題があります。今年4月に、チベット北東部のンガバ地区にあるキルティ僧院で、僧侶の焼身自殺があり、それを機に、中国政府の警察・軍隊が、僧院を包囲し、2500人の僧侶たちへの食糧・物資の搬入を阻みました。
昨年、チベットを訪れた筆者にとって、大変気になる問題で、ずっと注目していたのですが、ここにきて僧侶の焼身自殺がさらに相次ぎ、国際的な問題に発展しそうです。先ごろ、20歳の尼僧が信仰の自由などを求めて焼身自殺したことを知り、胸が痛みました。
チベット仏教の最高指導者であるダライラマ14世は、インドに亡命中ですが、その14世もインドから、チベットの窮状を訴え、国際的な支援を要請しています。チベットは、もともとは独立国でしたが、1950年に中国人民解放軍が、チベットに進駐し、65年にチベットを中国の一自治区としたことから、度々、チベット人の抗議運動が高まりました。2008年には、チベット全土で騒乱が起きたほどです。今回の相次ぐ焼身自殺は、その3周年ということもあるようです。こうした異常な手法に訴えているのも、デモや集会などの抗議活動がチベットでは不可能なためです。筆者が訪れた時も、写真撮影は一切禁止、町には、中国軍の兵士が銃を構えて住民の行動を監視している有様です。
しかも、こうした実情の報道はすべて中国政府により厳しく規制されています。筆者が知り得たニュースもすべてインターネットによるものです。マスコミは、今や経済大国となった中国のニュースを報道するため、北京、上海など主要な都市に支局を開設しています。しかし、中国政府の方針に反する報道がなされた場合、即座に支局開設は取り消されます。そうした報復を恐れてマスコミの中国報道は極めて及び腰になっていると思われます。
ブータン国王夫妻の来日を機に、マスコミの間には、にわかに“ブータン熱”が高まっています。“世界一幸せな国”とされるブータンは、チベットのお隣りの国であり、同じチベット仏教を信奉する国です。幸せの国と、片や信仰の自由すらない人たちとの格差。その現状に対する日本のマスコミの報道姿勢。シニア世代のご同輩は、どう考えますか?
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