世相を斬る!(7)格差社会を怒る
2011/12/2 虎穴 さん
オリンパスや大王製紙など、経営者の不祥事が相次いでいますが、大王製紙前会長による巨額借り入れ事件には、あきれると同時に、日本の格差社会の一端を見る思いがします。新聞報道によると、大王製紙の井川前会長は、昨年から今年9月にかけて、連結子会社7社から計約106億円を借り入れ、その全額を海外のカジノにつぎ込んでいたようです。
井川前会長は創業家3代目の「エリート御曹司」で、もともとギャンブル好き。高級クラブで豪遊したり、マカオのカジノには、一度の渡航に5億円をつぎ込むこともあったといいます。創業家ということから、会社を私物化していたようです。創業家でなくとも、日本の会社にはワンマン経営者が数多くいます。そうした経営者のもとでは、財務状況が不透明になりがちで、仮に経営者の不正を社員が知ったとしても、それを告発しにくいのが、日本の企業風土です。
大王製紙の前会長も、そうした風土のもとで、ますます増長したようですが、社員や世間の気づかないところで、経営者の不正や蓄財が進んでいるのが、日本の企業社会の実情のように思われます。労働経済白書によると、1997年から2007年まで10年間に、企業の経常利益は28兆円から53兆円と2倍近くに増えたものの、従業員の給与総額は逆に147兆円から125兆円に減少した実態が明らかになっています。会社が利益を上げているにもかかわらず、社員に還元せず、企業に蓄積しているということです。経営者と社員との所得格差がますます広がっているようです。
かつて、“一億総中流”といわれた時代がありました。高度経済成長の所産でもあったのですが、最近は“一億総貧困”とさえ呼ばれています。バブルがはじけ、シニア世代のリストラが相次ぎ、若者のフリーター化が進んでいます。生活保護世帯の増加も見逃せません。
世界的に見ても、日本の貧困率は高いようです。IMF(国際通貨基金)の報告書によると、国民の平均所得の半分に満たない、いわゆる貧困層の割合が、日本は15%で、世界で6番目です。メキシコ、イスラエル、チリが上位3国で、何とアメリカは4番目。5番目はトルコです。
一億総貧困と、一握りの富豪。そんな格差社会の現状に怒りを禁じ得ません。
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