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広がってほしい「笑売」

2012/1/18  啓子 さん

あんしんお届け便
地元の地方紙で、かの大手コンビニ・セブンイレブンが「あんしんお届け便」と称して商品を配達する移動販売車を導入した、とあった。まだ全国で4か所目とのことだった。

少し前に近所で一人暮らしをしているお年寄りの方が、コンビニエンスストアのお弁当宅配サービスを利用している、という話しを聞いたことはあったのだが、この移動販売との違いは、お弁当だけに偏らない、予約を必要とする宅配ではない、という点で区別されるようである。さらに従来の宅配サービスというと、食材の宅配やメニューの宅配・スーパーの宅配サービスなどいろんな業者が存在するが、どれもあらかじめ予約が必要であったり、商品カタログを入念にチェックして、計画を立てて注文をする、といった内容だったと思う。現役世代で仕事にも家事にも忙しい主婦に人気があるように感じていたが、今回目にした内容は、まさしく地域密着型で、お年寄りに嬉しいサービスだと思った。

というのも、前述のような従来の仕組みと大きく異なるのが、一軒一軒を訪問する、というところにあるのだ。
最近は田舎のほとんどの地域で高齢化が進み、車での買い物が不自由なお年寄りや、山間部で店舗すら少ない地域のお年寄りが、生活の中で一番困っているのは日常の買い物、という問題がよく上がっている。そういったお年寄りたちのためにも宅配サービスが存在するのだろうが、これまでの注文形式だと、お年寄りには少々分かりづらい部分が多いのではないだろうか。

そういう私の家内も、営業で頻繁に回ってくる宅配業者の営業力(?)に根負けし、宅配サービスの利用を開始したことがあるのだが、シニア世代と言われるあたりから、カタログが見づらい、毎週これでは煩わしい、との理由から、契約してほどなく解約した・・・という経験がある。シニア世代くらいならまだまだ外出に不自由しない。スーパーまで出向く方が早いのであるが、シルバーとなるとそうはいかない。

今回の移動販売は、その地域地域で必要かと予測される食品・日用品を約150品目積んで、人通りの少ない山間部や一人暮らしの個人宅を訪問し、町と連携してお年寄りへの声掛け・安否確認などにも協力したい、とあった。地域に根差した活動を育て、売るだけの商売ではなく、人が集まるきっかけとなり笑顔を生む「笑売」を目指す、とのこと。

昔は野菜売りや豆腐売りがそういった役目を果たしていたのかも、と感じた。
便利になった世の中、時間に追われお金に追われ、本来は人と人がいて成り立つ商売にしてもそのつながりが気薄になってきたように思う。
こういう「笑売」、実家を離れられずにいる父の元へも広がってほしいと願っている。

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