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年賀状の写真に思う

2012/1/3  迎春 さん

年賀状
今年もたくさんの年賀状をいただき、みなさんのお元気そうな近況やお子さん・お孫さんの健やかな成長ぶりに、一枚一枚笑みがこぼれる、心温まる新年を迎えることができ、とても感謝の念でいっぱいである。

兄弟姉妹が多い私は妻のそれも含めると、親戚関係の数だけでも相当な枚数である。含めて、教員生活が長かったこともあり、今はめったに顔を会わせることがない同僚や後輩、そして毎年欠かさず年賀状を送ってくれる教え子たち・・・。

現役の頃は年賀状を書くことすら億劫に思えていたが、年とともに枚数が増えていくにも関わらず、一枚一枚宛名を書いていく度に、当時の姿が思い出され「元気でやっていることだろう」と心を馳せる気持ちの余裕も持てるようになってきた。現役を退き、シニア生活を満喫する今となっては、書く枚数同様、頂戴する枚数も年々少しずつ減ってくるのは、少々さびしく思うのであるが、これは全うなる順番、いたしかたないと思えるようにもなってきた。

さて、そのようにして毎年の年始に私の心を弾ませてくれる年賀状なのであるが、最近少し気になることがある。最近の年賀状といえば、パソコンに住所を打ち込んで写真や文字をレイアウトすれば、たくさんの枚数の年賀状を一度に印刷することができる。パソコンに慣れていなくても、写真屋へ画像を持ち込んでお金を払えば、オリジナルの年賀状をすぐに作ってもらえる。

一枚一枚の全てを手書きで書くのは、私の経験上からも相当骨を折るような作業である。こんなに簡単に作成できるのは、忙しい師走を乗り切るのに、とても便利になったものだと感心する。手書きでないと心が込もっていない、という方もいらっしゃるが、そこは賛否両論。私は便利になった世の中全てを否定するつもりはない。しかし最近気になっているのは、年賀状に使われる写真である。

シニア世代となり、さらに現役を退いていくと、頂戴する年賀状はご家庭を持たれる現役世帯の方々が多くなるのだが、その殆どの方がお子さんの写真を年賀状に使われている。それはとても可愛らしく「立派に父親をやっているんだな・・・」と微笑ましく思うのであるが、当の本人の写真はないのだ。

これは遠方にいる甥っ子・姪っ子にしても同様なのが多く、長く顔を会わせることがない上に、子供の写真だけでは果たして本人の成長ぶりがイマイチ伺えないのである。お子さんたちの写真はとても心を癒してくれるのだが、私にとってはその親(本人)たちとの関わりの方が大事である。たまにご家族全員が写っている写真があると、「貫禄が出てきたな!」「父親に似てきたな!」と、子供の頃を知っているだけに、喜びも倍増されるものだ。

去年は孫の七五三があった。息子家族に誘われて、私たち夫婦も記念写真の撮影から参拝まで付き添わせてもらった。写真館での撮影は孫たちの姉妹写真ばかり。孫たちが成長した時、若かりしころの両親と共に写った家族写真があれば、見る楽しみも倍増すると思うのであるが・・・。そしてそんな写真で、遠方のお世話になっている方々への年始挨拶を、と思うのである。

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