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【懐かしの名作映画】 エデンの東

2012/2/1  川喜多夫 さん

エデンの東|カインとアベル
24歳でこの世を去ったジェームズ・ディーンは、1955年に『エデンの東』(エリア・カザン監督)で初めて主役を演じて、アカデミー賞の最優秀主演男優賞にノミネートされました。

さらに、『理由なき反抗』(1955年)、『ジャイアンツ』(1956年)と、次々とアカデミー賞にノミネートされることとなります。

しかし、この栄光は、まるで彼のその後を象徴するかのような、最後の輝きともいえるものでした。

『ジャイアンツ』の撮影が終わった1週間後の9月30日。

ジミーはサリナスで行われるレースに向かうために、同乗者のラルフと共に、愛車のポルシェ550スパイダーでカリフォルニアの州道を走らせていました。

午後5時59分に、州道46号線と41号線の東側の分岐点で、学生の運転する車と衝突。

ラルフは車外に投げ出され骨折、学生も軽傷ですみましたが、ジミーだけがほぼ即死状態だったそうです。

事故現場に建てられたモニュメントには、「James Dean 1931 Feb 8 – 1955 September 30 PM5:59 ∞」の文字が刻まれています。

『エデンの東』は、旧約聖書におけるカインとアベルという兄弟の確執を題材にした話で、ジミーは弟役のキャルを演じています。

舞台は1917年、カリフォルニア州のサリナス。農場を経営するアダム(レイモンド・マッシー)には、双児の息子がありました。

真面目な兄のアーロン(リチャード・ダヴァロス)は父アダムのお気に入りで、エイブラ(ジュリー・ハリス)という恋人がいます。

しかし、屈折した性格の弟のキャル(ジェームズ・ディーン)は、父親に愛されたくても認めてもらえない・・・憤りを感じていました。

父からは母親は死んだと聞かされていましたが、キャルは近くの酒場を経営しているケイトが、実の母だと知っていました。そして自分は、水商売のふしだらな母親に似ているから、こんなありさまなんだと。

しかし、それでもキャルは仕事で失敗した父親を喜ばそうと、豆の買い占めで一儲けしますが、父は「戦争で暴利を得るとはけしからん!」とそのお金を受け取ろうとしません。

このときのキャルの絶望!

途中、兄の恋人のエイブラの気持ちがキャルに傾くこともあって、物語は一気に破局へ向かいます。

当時、兄役のリチャード・ダヴァロスと、その恋人役のジュリー・ハリスのことは「もう少し華のある役者はいなかったものか・・・」と、残念な気持ちで鑑賞しましたが、ジミーについては、兄より弟を選びたくなるエイブラの気持ちがよく分かりますね(笑)。

彼だけ、なにかキラキラしているんですよ。若者の素直になれない、でもまっすぐな想いが、観客の私達に切々と伝わってきます。

また、バックに流れるレナード・ローゼンマンのBGMが実によくて、泣かせる・・・、泣かせる・・・。

この後、『理由なき反抗』と『ジャイアンツ』も見ましたが、やはりイチオシは、この『エデンの東』でしょう。

まもなくジミーの誕生日がやってきますが、ジェームズ・ディーンは、今も永遠の青春スターです。

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