がんの教訓
2012/2/20 がんよ驕るなかれ さん彼からは毎年、寒中見舞いが届く。「昨年、がんから生還するという『僥倖』に恵まれ、遅まきながら生かされた『命』に気づかされました」。今年はこう記されていた。彼は職場の先輩で3年前、彼が定年を迎えたときに居酒屋で飲んだのが最後である。私より5つ上だから、たしか63歳になったはず。現在、関連会社で嘱託として15日ほど働いていると聞いている。55歳を過ぎたらがんはもはや特別な病ではない。とはいえ、死因のトップであることは厳然たる事実。「5年生存説」も語り継がれている。
彼に電話を掛けてみるか、それとも、先方からの連絡を待ったほうがいいか。逡巡したあげく、受話器に手を伸ばすと「もう、ふつうの生活をしているよ。ははは」。撥ねるような声が返ってきた。「それはよかったね」。「酒を飲むこともできるので、近々にやろうか。話はそのときに」と誘いを掛けてくる。待ち合わせ場所であるターミナル駅の改札口に現れた彼は定年前と風貌がまったく変わっていなかった。病後のやつれもなく、痩せてもいない。人懐こい曖昧な笑顔もそのままである。「この季節はやっぱり熱燗がいいね」。居酒屋で彼は日本酒をちびりちびりと口に運んだ。
病名は甲状腺がんだという。手術を受けたのは昨年7月。尿の出が悪くなり、失禁が続いたので病院で診てもらったところ見つかった。幸い転移はなく、初期段階だった。それでも手術は7時間ほど掛かった。術後の経過はよく10日後に退院。通院をする必要はなく、食事もふだんどおり。半年に1回、検査を受けることになっているので年末に検査を受けたところ異常はみられなかった。がんになって多くのことを学んだという。「自然が愛おしくなり、命をもらったような感じがするよ」。この年齢になって健康がいかに大切なものか。改めて教わった気がする。
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