世相を斬る!(19)とんでもない“若肉老食社会”
2012/2/24 臥龍 さん
「若肉強食」という言葉はご存知と思いますが、最近、“若肉老食”なる言葉が一部でささやかれています。「老」というのは、戦後に生まれ、高度経済成長期の日本を支えたシニアからシルバー世代の人たちです。いわゆる団塊の世代と呼ばれています。この人たちが、現在の若者の犠牲の上に、安穏な第二の人生を送っているというわけです。所得や年金、雇用などで世代間格差が広がっていることが、その背景にあるようですが、シニア、シルバーから言わせると、これは、とんでもない思い違いといえます。世代間格差については、例えば年金に関して、若い人たちの間には、将来に大きな不安のあることを認めざるを得ません。いまの現役世代が、定年後に、現在と同じほどの年金を受け取ることは困難なようです。雇用にしても、企業の高齢者雇用の促進が、若者の雇用機会を狭めるという側面も事実です。しかし、これらはいずれも、一般論であって、実態は必ずしもそうではないことを理解すべきです。
所得格差については、若い世代、高齢者世代など、それぞれの世代には格差があります。むしろ、年金生活者が中心の高齢者世代より、現役世代の方により大きな所得格差があると思われます。
シニア、シルバー世代の人たちは、働きたくても働く場所がない、生活のために働かざるを得ない、というのが実態です。厚生労働省が先ごろ、55歳~64歳の約2万6000人を対象に「中高年者縦断調査」を実施しましたが、それによると、「65歳以上、さらに70歳以上になっても仕事をしたい」と考えている人は、全体の90%近くに達しています。仕事をしたい理由を聞いたところ「生活費のため」が63%、「生活費を補うため」が32%と、95%の人が生活のためと答えています。「健康のため」「社会とのつながりを持ちたい」という回答はごく少数にとどまっています。
生活保護世帯もシニア、シルバー世代の割合が最も多いようです。病院に行きたくても健康保険に加入していないので行けない、家賃を滞納し、アパートの電気・ガスを止められた・・・。こうしたシニア、シルバーが増えています。高齢者の貧困対策こそ、急務です。
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