夫の料理を堪能するシニアライフ
2012/4/1 男子厨房に さん夫が定年間近となってくると、よく耳にする話のネタに「三度三度の夫の食事の世話」についての話が挙げられるのではないでしょうか。
かく言う私も、自分の夫が定年退職する前、それまでの夫の昼食と言えば、会社の社員食堂で栄養面も考慮された格安で美味しい定食に長年お世話になったものです。定年退職した後も、毎日家に居るような物静かな夫ではない、とは言え、出先でコンビニ弁当、もしくはお店の高いランチ定食が毎日続くとなると、栄養面や金銭面からも少々考えもの・・・。家事には一切手を出さず、私が作ったものを文句も言わずに黙って平らげてくれていたことが、それまでは主婦として楽だった反面、食事の世話が増えるとなると、やはり厄介なことだなぁ、と思わざるを得ませんでした。
このことは、やはり親しい友人たちにとっても悩みのタネであるらしく、「私たちだってパートがあるんだから忙しいしねぇ! 子供じゃないんだから食事のことぐらい自分でやって欲しいわよ!」と、先輩シニアご婦人の口癖。そうなんです。私だって勤めがあるので、そのくらいは自分でやってもらわなきゃ。先輩シニアに賛同しつつも、「子供じゃないけど、子供より厄介かも・・・」との不安も抱えながら、夫は定年退職を迎えたのであります。
さて一体どんな生活を送るのか・・・リタイア後の夫の生活、私からはあえて何も口にはしませんでしたが、こちらの不安をよそに、「今日は昼メシはいらないから」と、朝食後のコーヒーを啜りながら夫は一言。「あら、そう。じゃ、行ってきます。」と、そそくさと勤めに出る朝が続きました。一体どこでどんな食事を摂っているのか・・・多少は気になっていましたがニ・三か月経ったある休日、「今日は俺が昼メシを作るから食材の買い出しに行ってくる」と言うのです!
一体何が作れるというの!? と驚いていたのですが、いつの間にやらマイエプロンまで持っていて、包丁捌きもさることながら、食材の下ごしらえ、段取りまでなかなかのお手のもの!? いつの間にこんな技術を身に付けたのかと思うくらいの手際の良さだったのです!
ハラハラと見守らなくちゃいけないのかと思いきや・・・だったので、呆気に取られる私に一言、「料理教室で腕を磨いていた」のだそう。近所の公民館で開催されている「男の料理教室」へいそいそ出向き、私をびっくりさせようという魂胆だんたのですね。
夫の思惑どおり本当にびっくり! その日に作ってくれたお料理は、少し前に習った「毎日食事を作ってくれている奥様へ、心を込めた男のもてなし料理」だったのだそう。それはそれは感激しました。夫はこのお料理教室がとても気に入っているらしく、新たな人生の境地を開こうと、今でもせっせと通っております。お陰様で、働く私は、いつでも夫の「定年後シニア男の美味しい一品」を楽しませてもらっています。・・・後片付け、材料費は大目に見る寛容さが必要ですけれどね・・・。
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