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熊野は神の住む庭

2012/3/17  ナカガミ さん

熊野神社
1月の末に熊野に行きました。
そこには神が住んでいました。

雨のそぼ降る日、名古屋から南紀3号だかに乗って、熊野を目指します。1時間ほど乗っていると、四日市、津、松坂という三重県の大きな町を通り過ぎる。そうすると、深い森の中に入っていく。単調な列車の音、ゆりかごのように揺られる列車の中で、外の景色は色を濃くしていき、1月の冷たい雨の中、まるで異世界に進んでいくかのような気になっていきます。

松坂をすぎると、もはや深い山の中。
山や丘の緑の濃さ。密集の度合いは、とても東京近郊の山のそれとは比較になりません。びっしりと木々が地肌を覆い尽くすように重なり合い、人が入り込むことを拒んでいるような重層的な黒に近い緑の色が迫ってきます。

それは集落のすぐ近くの小高い盛り上がり、山とは言えず丘とも言えないような小さな丘でも同じ濃さ。すぐ近くに人家があるのに、その裏手には、何十年も人が入ったことのないような濃い緑がある。

しかも、雨を降らせている雲の低さ。小さな丘の頂の高さくらいに、雨雲が分厚くかかり、日の光を1ミリとも通さないとしているよう。真っ昼間なのに薄暗い。並行して走る道路のクルマはヘッドライトをつけているものもあります。

そしてその低い雨雲は、まるで天から落ちてきたように、山々にかかり、谷に沈んでいく。綿あめのような重量で、空気をじっとりと湿らせ、白くぼやけて家々を包んでいるのです。

まさに神々の住む庭に来たような神話的な景色が、電車の窓の向こうに広がっているのでした。まるで別世界に向けて進んでいるような荘厳さ。もう二度と後戻りできないような恐怖に襲われ、窓の外から目を背けるのでした。

大都市の名古屋からわずか1時間だけ電車に乗っただけなのに、神の国に向かっているように、より緑は濃く、雲は分厚く、雨霧は広く、音は密やかになっていくのです。

松坂をすぎると、多気、三瀬谷、紀伊長島、尾鷲と停車し、その停車中だけがこの世の国に戻ったようで、すぐまた発車。

そして目的の熊野に着きました。熊野市は広大な太平洋と、そこに迫る深い緑の山々にはさまれるようにして開けている小さな平地にある寂れた町です。ほとんど森の中を切り開いたような感じがあります。
東京から新幹線で2時間、特急で4時間ですが、遠い遠い地の果てに来たような思いがするのです。

むろん、この地域には熊野古道という世界遺産もあり、探索すればいろんな観光名所があるのでしょうが、いかんせん、1月の肌寒さ、雨、そしてこの不気味な自然。とても観光どころではなく、もちろん、仕事で来たのでそんな暇もなく、1泊2日で早々にこの地を後にしたのでした。

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