世相を斬る!(22)あきれた旧社保庁OBの年金管理
2012/3/16 臥龍 さんAIJ投資顧問による巨額年金資産の消失問題がクローズアップされていますが、この背景には、旧社会保険庁(現日本年金機構)OBによるずさんな年金資産管理があるようです。
旧社会保険庁といえば、過去に、職員による年金記録ののぞき見、年金保険料の不正免除、ずさんな年金記録問題などの数々の不祥事が相次ぎ、2009年に解体されたばかりです。しかし、職員やOBはそのまま日本年金機構などに移籍され、今回のAIJ問題でも、これらのOBが深くかかわっています。またまた旧社保庁の天下り役人が絡んでいると思うと、怒りを通り越し、あきれてものが言えません。今回のAIJ投資顧問による消えた年金資産額は2000億円近くにのぼると見られています。株式投資など、資産運用の失敗が要因といわれますが、果たしてそれだけかどうか、今後の調査の行方が待たれます。
AIJが受託した年金資産は、主に中小企業、零細企業などで働く社員のための将来の企業年金に充てられるもので、資産消失の責任は、一義的にはAIJ投資顧問にあることはいうまでもありません。
また、今後の調査の行方によっては、企業年金にとどまらず、企業年金基金が代行している厚生年金にも損失が及ぶ恐れがあり、年金そのものに影響を与えかねません。AIJが運用年金資産を拡大し、急成長したウラには、多くの旧社保庁OBが天下っている厚生年金基金と、それら基金にAIJへの資産運用の勧誘を働きかけた年金コンサルタント会社の存在があります。
このコンサルタント会社はAIJと顧問契約を結び、セミナーの開催などを通じて、高い運用益をPRし、AIJの受託資産拡大の片棒を担いだとされます。
しかも、このコンサルタント会社も旧社保庁OBの経営によるものです。言ってみれば、旧社保庁OBが、その人脈を利用してAIJの資産運用拡大に加担したといえるのです。年金基金に天下っている多くの旧社保庁OBには、資産運用に関する専門的知識などがあるはずもなく、結局は、コンサルタント会社の言うままに、AIJに運用を任せた、ずさんな年金管理が目につきます。
逆に見れば、AIJはまさに、そうした役人OBの弱点と、組織的人脈に目をつけて、運用資産を急速に拡大したといえます。今回の資産消失は、リーマンショック後の株価低迷がその背景にあることは否定できませんが、高い運用益をえさに、多くの年金基金から資金を集め、運用に失敗したAIJと、そのお先棒を担いだ旧社保庁OBの双方に責任があるといえるでしょう。天下り役人による弊害は、さまざまな分野で表面化していますが、社会保険庁時代から現在に至るまで、旧社保庁OBによる不祥事ほど、国民をないがしろにしたものはないようです。
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