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地方都市の葬儀で感じたこと

2012/4/19  冠婚葬祭 さん

定年後の生活|お葬式北関東のある地方都市の葬儀に参列することになった。母親の一番下の弟である叔父の伴侶の父親が亡くなったのである。
享年96歳。今年2月、ベッドから降りるときに足を骨折し、近くの総合病院に入院していたという。故人とは面識がない。なのに、なぜ、葬儀に足を運んだかというと、母親が晩年、叔父に世話になったという理由からだ。
今年74歳になる叔父は地元で手広く事業をしていることから、義父の葬儀を盛大に執り行いたかったのだろう。その思惑は分からないでもないけれど、斎場の敷地に収まりきれないで道路を隔てた向かいにも立つ花輪、祭壇を中心に受付のほうまで並べられた生花、弔電の束、複数の僧侶が次々に唱えるいつ終わるとも知れない長い読経。慎ましい個人葬に流れのある中で華美な葬儀はその逆をいく。唯一、ほそくえんでいるのは僧侶と葬儀会社かも知れない。

もうひとつの発見は弔問に訪れた人たちがなにげなく口にした言葉に潜んでいる共通性である。「葬式は今月にはいってからこれで5件目だよ。大変だよ」。
香典のことをいっているのだ。「まさか5000円というわけにはいかないしね」。なぜか、おカネの話が生々しく飛び交うのである。地方の人は純朴だというが、一概にそうはいえない。人間関係が濃いだけに打算、嫉妬、欲望が渦巻いているのだ。噂も好きで、とくに負の要素を含んだものには尾ひれがつく。田舎暮らしもハタでみるほど楽ではない。

叔父や叔母たちが年寄りになっていたことも驚いた。年齢から考えてみたら当たり前なのだが、背中が丸くなって、体全体が萎んでしまった姿を目にして、あれ、こんな感じだったかなと思う。だたし、生まれ持っている性格は揺るぎがなかった。80に手の届く叔父は権威主義である。定年後20年近くなるのにいまでも人事や経歴の話が大好きだ。当然、周りから浮いてしまっているが、当の本人はそれに気づいていない。頑迷固陋。高齢になるにつれて自説に固執する人がいるというけれど、実際、そうなんだと改めて学んだ。

従兄弟たちにも久しぶりに会った。いずれもしっかりしたオヤジ顔になっていた。向こうからみたら、こちらもそうみえるだろうが。少し前まで話のネタは仕事のことが多かったけれど、いまではリタイア組が増えていることから会社、勤め先などを俎上に載せることはなくなり、病気や体調のことが中心だ。
「血圧が高くてね」「ええっ、そうなの。痩せているのでそうはみえないけど。上はいくつあるの?」と盛り上がる。ベビースモーカーだった従兄弟はぴたりとタバコを止めていた。「もう、吸いたいとは思わないね」。いまや、タバコはすっかり敬遠されている。斎場の中にある喫煙場所を利用する人もほんの数えるほどで、2つある灰皿の中には吸い殻がほとんど見当たらない。「ほかのところは喫煙場所が屋外にあるけど、うちは建物の中に置いているんですよ」。斎場関係者がなぜか誇らしげにいうのである。

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