シニアの老後計画・・・定年後の生活に向けて(2)個人年金保険
2012/9/24定年後の生活を考えるときに、毎月どれぐらい家計にかかるかというのは、各ご家庭でだいたい把握できているのではないかと思います。
家計を圧迫するのは、「予想外の出費」です。この予想外の出費に備えて貯蓄する必要があります。
しかし、若いときは、予想外の出費も結婚式とか出産のお祝いとか微々たるものでしたが、シニアの場合は、大病したり事故に遭う確率が高くなったりと出てゆくお金が高額なものになるおそれがあります。
そこで、検討すべきは保険です。すでに、医療保険とか火災保険といったものにお入りになっているかと思いますが、今回は「個人年金保険」を取り上げます。
退職後、多くの人が頼りにするのが公的年金です。サラリーマンや公務員は国民年金+厚生年金もしくは共済年金、自営業やサラリーマンの奥さんは国民年金に加入しています。
高齢者の増加により年金の支給時期が延びており、老後の生活資金を公的年金だけに頼ることのできない時代がやってきています。
足りない分については貯蓄、民間の生命保険会社による個人年金保険でのカバーを考えた方がよいでしょう。
個人年金保険に加入する際のポイントですが、生命保険会社の営業マンに言われるがままに加入するのではなく、公的年金や貯蓄額を計算に入れた上で、いくらあれば老後の生活費に足りない分を補うことができるのかを考えることです。
老後の年金支給は多いに越したことはありませんが、高額なものに加入すると支払う保険料は高くなります。
◎個人年金保険の種類とは?◎
個人年金保険は、あらかじめ決めておいた年齢(60歳、65歳など)に達した時から年金を受け取ることができます。
個人年金保険には、生涯にわたって年金を受け取ることのできる「終身年金保険」と、一定期間(5年、10年など)受け取る「確定年金保険」があります。
確定年金保険より終身年金保険の方が支払う保険料が割高になります。
また、「定額個人年金保険」と「変額個人年金保険」という分け方もできます。
定額個人年金保険は、将来受け取る年金額が契約時に決められている保険をいいます。
一方、変額個人年金保険は、株式や債券などの運用により支払われる年金額が変動するという、投資型の保険です。
年金保険に対する考え方は人それぞれなので、将来もらえる年金額が増える可能性がある「変額個人年金保険」も注目されているようです。
しかし、「変額個人年金保険」は運営がうまくゆかなければ元本割れするおそれもあるので、加入者全体の比率としては、「定額個人年金保険」を選択する人が多くなっています。
◎どんな年金保険に加入しているの?◎
公益財団法人生命保険文化センターの『生命保険に関する全国実態調査』(平成21年度)によると、民間の生命保険会社に加入している人の割合は、67.9%にのぼります。
変額個人年金保険に加入している人は8.0%、かんぽ生命の年金保険に13.4%、同じく定額個人年金保険が1.9%、損保保険会社の個人年金保険6.2%。ほかには、JAの年金共済が8.4%、全労災の年金共済3.5%、その他の年金保険3.4%です。
また、生命保険の保険料を年間どれくらい払っているかですが、1世帯あたりの年間払込保険料は平均45.4万円となっています。
金額の分布では、「12~24万円未満」が約16%と1番多く、次いで「24~36万円未満」約15%、「12万円未満」約14%の順になっています。
保険に加入する際には、商品の特徴をよく調べることと適正な価格のものに加入することが大切ですから、「商品についてよく分からない」、「なんとなくその価格に決めてしまった」という方は保険料を高く支払っている可能性が高いですし、「ここ10年ぐらい見直しをしていない」という方は、見直しを考えてみた方がいいと思います。
◎共済保険とは?◎
共済保険とは、職場や地域などに所属する人同士でお金を出し合って、集まった資金から医療費や葬祭費などを出して助け合う相互扶助的な事業です。
民間の保険会社に比べると保険料が安く加入しやすくなっていますが、補償が十分でないことも考えられます。
生命保険文化センターの『生命保険に関する全国実態調査』によれば、JAの年金共済には8.4%の人が加入、全労災の年金共済には3.5%の人が加入しています。
JA(全国共済農業協同組合連合会)の「予定利率変動型年金共済」は、契約はじめの5年間は予定利率を固定。6年目以降は、1年ごとに予定利率を見直すという予定利率変動型の年金共済です。
年金開始日から5年・10年・15年の期間に年金を受け取ることのできる「定期年金タイプ」と、生涯にわたって年金が受け取れる「終身年金タイプ」があります。
また、全労災(全国労働者共済生活協同組合連合会)の「ねんきん共済」は、JAの年金共済同様に「確定年金プラン」と「終身年金プラン」の2種類から選べます。
全労災のホームページに掛け金の試算ができるツールがありますから、年金の種類、年金開始年齢などを記入することでシミュレーションが可能です。
保険料の支払い窓口は、JAの場合は農業協同組合で加入、全労災の場合だと全労済の本部や支部、銀行などで加入できます。
基本的なことだけご説明しましたが、年金保険商品は各生命保険会社の商品により違いがあります。比較検討の上、保障内容をよく確認して最適な年金保険をお選びください。シニア向け特集記事
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