クスリの話(7)・・・ジェネリック医薬品(PartⅡ)
2012/11/9ジェネリック医薬品・・・厚生労働省が積極的に推進
ジェネリック医薬品という言葉をよく聞くようになりました。いうまでもなく、先発品に対して同じ成分のクスリで、価格が安いという特徴のある医薬品のことです。
昔はジェネリックなどと気取ったものではなく、「ゾロ品」と呼ばれて、まともに相手されていなかったものです。
先発薬の特許が着れたとたんにゾロゾロ出てくるからゾロ品ね。主要成分は同じだけれど、副成分やコーティング技術が違っていて、時々副作用を起こしたり、また、売れている先発薬の特許切れの後追いばかりしているため、売り切れたらすぐ次の特許切れ製品に向かうから、欠品などは当たり前、売り切れごめんで、使えないクスリの代表でした。
それがこの10年で医療費の高騰に悩む厚生労働省が安価なジェネリックに目をつけ、積極的な拡大策を矢継ぎ早に打ち出してきました。
ジェネリックを使えば保険点数を加算するとか、医師にジェネリック不使用の理由を説明させる義務を課すとか。これでもかとばかり、ジェネリック優遇策を打ち出してきたことから、2005年には16%だったシェアが2011年には23%にまで拡大してきた。
行政の目標は2013年に30%という数字だが、果たして達成できるかというところです。ジェネリック医薬品・・・患者にとってのメリット
ジェネリックを利用する患者側にとってメリットはあるでしょうか。
当然、主成分は同じですから、クスリとしての効果は同じ、と考えていい、患者サイドとしては先発薬とジェネリックのどっちを使ってもいいのです。では、決め手は、価格ということになります。
たとえば、血液中のコレステロールや中性脂肪が増加する高脂血症という病気があります。
食べ過ぎやら飲み過ぎで起こる生活習慣病で、動脈硬化など過剰になると体に障害をもたらします。
その治療薬として、ブラバスタチンというクスリがあります。これは第一三共(合併前の三共)が開発したもので、メバロチンとして先発薬として市場を独占していました。
しかしその特許が切れ、様々な会社からジェネリックが発売されています。その価格を比較してみると、メバロチン(第一三共) 54.0円
プラメバン(日医工ファーマ) 14.9円
プラバチン(沢井製薬) 22.6円先発のメバロチンに対して、半額以下。プラメバンは7割安く、プラバチンが6割安いのです。
いずれも飲み薬で、メバロチンは1日2錠を毎日服用することになります。
こういう生活習慣病は継続的に薬を飲み続けなければならないため、患者側にも結構な負担になります。ジェネリック医薬品・・・比較してみると
たとえばメバロチンを1日2錠、1年間飲み続けると、トータルで3万9,420円になります。
同じように、プラメバンの場合は、1万877円。
年間で2万8,543円の違いが出てしまいます。
同じくプラバチンでは2万2,922円の差額が生じます。月にすれば2,000円程度ですけど、しかし、高脂血症は狭心症などの心臓病を引き起こしたり、糖尿病や高血圧という他の生活習慣病を併発することも多いので、それぞれに対応した治療薬を処方されます。
クスリの種類が多すぎる場合は胃炎を抑えるクスリを追加されたりもします。
そうすると、年間のクスリ代は先発薬だけ使っていては軽く10万円くらいいってしまいます。
だいたいその3割安くらいの値段のジェネリックの安さは何物にも代えがたいのです。そのほかにも、同じ高脂血症でメカニズムの違うリピトールは、アステラスの先発薬が59.4円に対して、沢井製薬、東和薬品などのジェネリックが40.1円。
あるいは高血圧の治療薬であるノルバスク(アムロジピン)が先発薬で32.1円に対して、ジェネリックは13.5円から23円。糖尿病薬のアクトスは武田薬品の先発薬ですが、これが76.5円。ジェネリックだと43.1円から54.7円。
1錠あたりはさほどでなくても、必ず年間通して服用しますから、家計への負担は全然違ってきます。
むろん、ある程度は保険でカバーできますが、カバーできない層の患者も多いのです。ジェネリック間の価格が違うのもそれぞれのコストを反映したもので、基本的に厚生労働省ではジェネリックの価格は先発薬の7割という水準においていましたが、今年度から同6割まで引き下げるようにしていて、よりジェネリック普及に弾みをつけようとしています。
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