定年後の生活・・・シニアの群像(5)故郷で野菜づくり
2012/12/25故郷でみつけた新しい生きがい
田舎に帰って父親の介護をすることに
三重県ご出身のSさんは、現在、68歳。
東京の私立大学を出られ、建設会社に就職し、60歳の定年まで勤め上げました。
定年後もしばらく、勤めていた会社の関連会社で、工事管理の仕事を続けていましたが、64歳のとき、田舎でひとり暮らしをされていたお父さんが病気で倒れ、介護が必要になりました。
Sさんは長男であり、奥さんと相談した結果、田舎に帰ってお父さんの介護をすることにしました。
父親の何よりの楽しみが、野菜づくり
奥さんも同郷の人ですので、田舎に帰ることにはまったく抵抗はなかったといいます。Sさんご自身も、定年まで会社に勤めたとはいえ、その間、同僚や上司との折り合いがうまく行かず、ストレスのたまる毎日だったようです。
そのため、一時は仕事にも身が入らず、何度か会社を辞めようという気持ちになったといいます。
東京ではマンション暮らしでしたが、田舎に帰るに当たって、子供や孫たちとの距離が少し遠くなるのが寂しかったようです。
お父さんは、小さな町の役場に勤めていましたが、定年後は自宅の庭で、野菜づくりを楽しんでいたそうです。
Sさんのお母さんは、早くに亡くなられ、お父さんは、長年一人暮らしを続けられました。
そのお父さんにとって、何よりの楽しみが、野菜づくりだったそうです。
庭の畑を元の姿に戻そうと、野菜づくりを決心
Sさんが、東京のマンションを処分して田舎の実家に帰ったとき、お父さんがあれほど楽しみにしていた野菜づくりの畑が、雑草に覆われ、昔の生き生きとした姿は見る影もなくなっていました。それを見て、Sさんは奥さんと二人で、庭の畑を元の姿に戻そうと、野菜づくりを決心したそうです。
奥さんは、実家の農業を手伝ったこともあり、畑仕事にはそれほど抵抗なく入ることができたそうです。
Sさんの方は、お父さんが元気な頃、帰省時に野菜づくりを手伝ったことはありますが、サラリーマン生活が長いため、畑の作業には、当初、戸惑いも多かったようです。
おじいちゃんの作った野菜はおいしい
ご夫婦で野菜づくりに励んだ結果、1,2年ほどで、庭の畑は、以前の姿を取り戻しました。
今では、ナスやきゅうり、トマト、大根、ねぎなど、その種類も次第に増えています。
夏に収穫が多いときには、ご近所に配ったり、東京に住んでいる子供たちにも送るそうです。
夏休みに子供たちが孫を連れて遊びに来たとき、「おじいちゃんの作った野菜はおいしい」といって食べてくれる姿が何よりうれしいと話します。
家族やご近所の人たちの喜んでくれる姿が、生きがいに
「野菜づくりを通じて四季を感じながらの暮らしは、東京の生活では味わえなかったものです。」
「年金暮らしで、生活にはゆとりがありませんが、自分たちが育てた物を食べられる喜びや、家族やご近所の人たちの喜んでくれる姿が、私たちの生きがいにもなっています」とSさんは明るい表情です。
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