元気で働くシニア・・・Tさん(63歳女性、保育補助員)
2013/3/19夫の死を乗り越えて
◆老後・・・想像と現実とのギャップ◆
今年63歳になるTさんは、昨年40年連れ添った旦那さんを肝臓ガンで亡くしました。
旦那さんは68歳で、塗装業(個人)を営んでいました。
Tさんは、55歳までパートの事務員として自宅近くの電機会社に勤めていましたが、業績悪化でリストラとなり、そのあとは障がいのある児童の預かり保育の補助員として働いています。旦那さんの病気が悪化してから亡くなるまでの、数ヶ月は仕事を休んでいましたが、四十九日の法要が終わったあと復帰しました。
ご主人をなくしたショックは大きく、もう仕事を辞めようかな、と考えたそうですがまだ62歳。
家の中で家事だけをして過ごすには早すぎると、復職を決めました。
もちろん、現実的には経済的な事情もあります。築二十年、総二階の大きな家に住むのはTさんひとり。
大きすぎる家は寂しいと言います。ご主人のあとを継いでいる息子さんは結婚して近くのアパートに住んでいます。
「面倒を見る孫でもいればねえ、仕事なんか辞めちゃうけど」息子さん夫婦には子どもがいません。
老後は自分たち夫妻と息子家族でにぎやかに生活することを漠然とイメージしていたけれど、実際は旦那さんがあっという間に逝き、息子夫婦とは別居で孫もおらず、ひとりでがらんとした大きな家に住むことになるなど想像すらしませんでした。
唯一のなぐさめはTさんの娘さんの子どもで今年中学生になる孫の成長です。ただ、娘さんは数年前に離婚して母子家庭。
経済的に不安定なので援助してやりたいけれど、私ひとりじゃカツカツだからそんな余裕なくてね、と言います。◆プラス思考・・・気持ちを切り替える◆
娘さんの離婚、夫の死などTさんにとっては不安や悲しいできごとが続き、思い描いていた老後とは違う現実に一時は気力をなくしかけましたが、それでも日々の生活は続いていきます。
考えても仕方がないことをくよくよしない、とTさんは前向きです。ひとりの食事をわびしいと考えずに、気楽だと思う。
娘は離婚したけれど子どもが女の子だから心強いだろうし、自分にとっても孫がひとりでもいるのは幸せだと思う。
息子夫婦には子どもができないけれど、夫婦仲良くやっているようだから良かったと思う。
そして何より自分が健康で、ひとまず働く場所があるということ。 etc・・・
職場に復帰してTさんはその思いをさらに強くしました。一時預かりの障がい児たちのなんと明るいこと!
そして親御さんたちが子どもたちの将来を思うときの悩みの深さに比べれば、自分は平凡だけれどごくごく幸せに生きてきたのだと実感し、今できることをやらなきゃという気持ちになりました。
◆心配ごと・・・生活の質をどう維持するか◆
Tさんのもっかの心配ごとは、単刀直入にお金のことです。
というのも、ご主人の亡くなったあと保険はおりたものの、貯金がほとんど残っていないです。借金がないだけいいよ、と家業を継いだ息子はいうものの、正直こころもとありません。
亡くなったご主人は親分肌で面倒見が良かったので、手元にあれば何かとパッパと使ってしまうたちだったとTさんは振り返ります。ローンを完済した家があるので住宅は心配しなくてもすみますが、自分の年金はパートだったのでわずかだろうと思いますし、ご主人も国民年金だったので厚生年金に比べると、遺族年金もそれほど期待できなさそうです。
年金オンリーの生活を試算すると、月々は10万円と少し。あとはご主人の保険金。息子は俺が面倒をみるからと言ってくれますが、今まだ不妊治療をしているお嫁さんや、仮に子どもに恵まれたとしても、将来を考えると頼るのはためらわれます。
今はまだ年金は受け取っていませんが、Tさんはそのときに備えて新しい習慣を身につけようと思います。
今までと同じ生活をあたりまえに考えると、お金の使い方もつい習慣でゆるくなってしまいますが、ちょっとした心構えでムダはぐっと減らせると気づきました。
それでも生活の質を落とすことにはなりません。仕事は収入もさることながら、社会に参加するという意味で大事だと痛感しています。
先の見えない老後ですが、できる限り体を動かす仕事をしたいと考えています。シニア向け特集記事
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元気で働く
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