離れて暮らす親の財産管理
2016/9/1
地方にいる両親の財産管理に今後不安があるという相談も多くあります。
少し離れて暮らす両親が高齢になってくると、介護の問題もありこれからどのように接していくか不安になる事があります。具体的な事例で見てみましょう。
ご相談者は次のような方でした。母親(89歳) 秋田県在住
長女(62歳) 東京都在住(相談者)母親の財産
自宅不動産
木造アパート2件
預貯金お母さまが秋田で一人暮らしをされています。
今はまだ元気ですが、親戚関係も周りにいなく、今後の介護や不動産の管理など不安な点が多い。
木造のアパートについて、今後建て替えも必要になってくるため、住人や住宅の管理会社などとの交渉を子どもに任せていきたい。このような場合、民事信託の選択の前にまずは成年後見制度で対応できるかを考えます。
このケースの場合、比較的本人の意思能力がある場合に利用される成年後見制度の補助人を選任できるかもしれません。
ただし、医者の診断書が必要であったり、財産の一部についての管理をしてもらう事はできなかったりとなかなか利用しにくいです。また、近くに親族がいないと補助人になる人も家庭裁判所の選任した第三者専門家がなる可能性が高いですね。
ここがご相談者の一番の懸念材料でした。
第三者に家の中に入って欲しくないという事だったのです。このケースで民事信託を使った場合、いくつかの課題が解決できます。
まずは財産管理を離れて暮らす親族に任せることができます。お母さまから長女にアパートの管理や交渉などを任せつつ、その後お母さまの状況によって全ての財産管理へ移行していくこともできます。使用しないお金は長女のほうで管理しておくこともできます。最近は振り込め詐欺など巧妙な手口でお金を詐取する輩もいますので、こうしておくと安心ですね。当然管理しているお金はお母様のお金ですので、お母さまが何か必要になれば、使うこともできます。民事信託の制度は、医者の診断など煩わしい手続きも必要ありません。当事者間で契約が成立すれば、誰かが関与することもありません。
民事信託を利用すると柔軟な財産管理ができるようになります。
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