一般社団法人と民事信託を使った相続対策
2016/10/3
収益不動産を所有している方の中で、管理法人を作って所得を分散化させ、所得税軽減を図ることがあります。
個人で不動産を所有していると経費がなかなか認められなかったり、所得税率が高くなってしまうからです。
管理法人の形態は今までは主に株式会社が使われていましたが、最近は一般社団法人を利用するケースが増えています。なぜでしょうか?
株式会社の場合、株主という会社を所有する立場の人格が必要です。
不動産の管理法人の場合、株主は家族の誰かになります。
例えばお父さんの所有する不動産の対策のためには、お子さんを株主にすることが多いです。
ただ、会社が所得分散により収入が増えてきた場合、会社の資産が増加することになり、その資産が増加した分は株主が所有していることになります。
つまり会社に所得を分散するほど、株主の財産が多くなります。
お父さんの相続対策には有効ですが、今度はお子さんの相続税対策を考えないといけなくなります。一方、一般社団法人の場合、株主という存在はいないので、社団法人を所有する立場の人格がいません。
ですので、社団法人に資産が増えていったとしても、その分個人の資産が増えることはありません。
社団法人に資産を集めていっても、その後続く相続のことは考えなくてよくなります。この一般社団法人の利点を生かし、さらに信託を組み合わせる方法があります。
民事信託の受託者として一般社団法人を使うのです。民事信託の受託者も、信託報酬を取ることができます。
管理法人が管理報酬を取るのと同等、もしくはそれ以上の信託報酬を受け取りことができます。
民事信託の受託者は、単に管理するだけの管理法人よりも権限が広範に及ぶため、その分報酬を余計にとることができるのです。
つまり所得分散効果がより高まることになります。ただ、報酬を多くとり所得が法人に移った場合、法人の資産がどんどん増えていってしまい、株式会社だと株主対策をしなければなりません。
ところが一般社団法人であれば、株主自体いないので株主対策は不要となります。一般社団法人は約10年前から作ることができる組織形態です。
それまでは公益性があって主務官庁の許可がなければ、この組織形態で設立することができませんでした。
2006年の法律改正により新たに「一般社団法人」が作れるようになりました。今はまだこの一般社団法人を利用している方が少ないので、あまり知られていませんが、これを使うことでメリットが生まれるため利用する人も増えてくるんではないか、と感じています。
最善の方法で最善の対策をしていきたいですね。
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