損する理由その①テーマ型投資信託
2017/7/28今回から3回に分けて投資信託で損しやすい商品を解説します。
今日は“テーマ型投資信託”について解説します。テーマ型投資信託とは、世の中で話題になっているテーマに投資対象を絞った投資信託です。
過去にはどのようなものがあったかというと90年代後半には情報技術革命関連ファンド、2000年代には中国株式関連ファンド、ブラジル関連ファンド、2010年代には世界リートファンド、ハイイールド債券ファンド、MLPシェールオイル関連ファンド。
そして最近はAIやフィンテック関連ファンドが金融各社から次々と販売されています。テーマは様々で、「国」にテーマを絞ったもの(中国関連ファンド・ブラジル関連ファンド)もあれば、技術革新(AI・MLP)に絞ったもの、また投資対象(世界リート・ハイイールド債券)を絞ったものなど様々です。
これらの投資対象は全て大きく発展を遂げた分野です。にもかかわらず損をしてしまった人がとても多いのです。なぜでしょうか。
結論から述べると、それらのテーマが話題になる時には、既に関連銘柄の株価は大きく上昇した後だからです。
例えば2000年代の投資テーマの中心は新興国でした。
次のチャートをご覧ください。①ブラジルの代表的総合株価指数であるボベスパ指数と某大手証券が販売したファンドのチャート
②MLP指数と某大手証券が販売した新ファンドのチャートです。
出所)共にブルームバーグ (2016/12末まで)
このように相場が絶頂に達したタイミングで商品が設定されています。
(ちなみにブラジル株式ファンドは設定が2009年11月で、同年9月に2016年のリオ五輪の開催が決まっており、ブラジルは大変な盛り上がりでした)最近のAI関連ファンドも同様のことが言えます。
ファンドの組み入れ銘柄を調べてみると、PER(株式の割高・割安を測る指標の一つ)が60倍台の銘柄が多くなっています。
これは今後60年分の利益を既に織り込んでいる水準であり、一般的にはかなり割高といえる水準です。
つまりテーマ型投信に投資を始めた段階で既に多くの投資家は先に対象銘柄を購入しており、投資家は後追いでテーマ型ファンドを通じて更に高値で関連株を買い始めるという構図になります。ではなぜテーマ型を金融機関は販売するのでしょうか?
その答えは簡単で“最も販売するのが簡単だから”です。
テーマ性があり、成長のシナリオを語りやすいため投資家にも受け入れやすいわけです。
金融機関はマーケティング調査を通じてどのようなテーマなら販売しやすいかを日々研究しています。
相場が上がるか下がるかは分かりませんが、たくさん販売できるかどうかは分かる、というわけです。こうした理由で多くの投資家が金融機関からテーマ型ファンドを勧められ、高値で投資を開始するはめになるのです。
いくら成長性のある投資対象といえ、高値で買ってしまっては、利益は出にくくなるのです。これが投資信託で損する理由その①テーマ型投資信託です。
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