内閣府から、「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」が発表されました。この調査によれば、高齢者の生活や幸福感に、家族、特に配偶者(パートナー)の存在が大きく影響することが分かりました。
https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h30/zentai/index.html
（内閣府調査については上記リンクより見ることが出来ます）

この中で、今回は特に「高齢単身者」の生活環境について詳しく見ていきたいと思います。今回は「生きがい」というテーマで高齢者の単身者と既婚者で大きな違いがありましたのでご紹介をしたいと思います。

・７０代前半が「一番、生きがいを感じている」一方で「生きがいを感じない」方も最多に・・・

　今回の調査では、「生きがい（喜びや楽しみ）を感じている程度」という質問に対し、「十分感じている」、「多少感じている」、「あまり感じていない」、「まったく感じていない」、「わからない」の５択から一つを選択することになっています。年齢は６０歳~６４歳、６５歳~６９歳、７０歳~７４歳、７５歳~７９歳、８０歳以上で区別をされています。

　まず男性女性、既婚未婚者全て併せて、「生きがいを十分に感じている」と答えた年齢層は「７０歳~７４歳」層の方で４４．９％という割合でした。一方でこの層の方は「全く感じていない」という方も２．９％と他の世代層と比べても一番高い割合になっています。

・高齢単身男性は「生きがい」が少ない？

　次に「生きがい」を「十分感じている」と回答した男性について、既婚男性と単身男性では大きな差がありました。配偶者がのいる男性では「生きがい」を十分に感じていると回答した割合は、４０．８％と４割を超えています。
　これが配偶者と死別した方になると、３５．７％、配偶者と離婚した方になると３２．０％と少しづつ低くなっています。

　これが単身者（６０代以上で１度も結婚したことがない方）になりますと、１８%と激減します。反対に生きがいを「全く感じていないを回答した方は８．４％と非常に高い割合になっています。

　これが女性になりますと、配偶者がある方が「生きがい」を十分に感じている割合が４９．１％一番高いのですが、次が未婚（１度も結婚したことがない女性）で４０%と非常に高い割合になっています。
　反面、夫と死別した方は少し割合が低く、３７．９%、離婚された方が３９．４%となっています。この様に見ると、女性の方は配偶者との死別が非常に大きなストレスになっており、未婚既婚はあまり大きな影響を受けていないことが分かります。

なぜこのような差異が生じるのでしょうか？

なぜ、高齢単身男性と女性ではここまで「生きがい」に差が生じるのでしょうか？キーワードは「交友関係」と「ご近所づきあい」の様です。

　昨今では、ご近所づきあいも減って、隣に誰が住んでいるのかもわからないといわれている時代。ただ、このご近所づきあいで男女差があるようです。未婚男性は「親しくつきあっている」と「あいさつ以外にも多少の付き合いがある」がそれぞれ、９．３%、２０．９%と合計で３割程度にしか行かない一方、「付き合いがない」が１６．３%と比較的、高くなっています。

　一方の女性は、「親しくつきあっている」と「あいさつ以外にも多少の付き合いがある」がそれぞれ、２５%、３０%と合計が５５パーセントと半数を超えています。

　「交友関係」では、「親しい友人を持っているか」という問いに対して、「親しい友人をたくさん持っている」と答えた独身男性は僅かに４．７%。「友人はいない」と超えた方が１８．６％配偶者がいる方（５%）の４倍近くになっています。

　一方の女性は「たくさん持っている」と回答した方は２５%。「友人はいない」と超えた方が７．５％と男性の半分以下であることが分かります。

・日常生活で頼られることも少ない

　日常生活で頼られることが「ある」と回答した男性は２３．３%と４人に１人程度。一方で女性は４２．５%と男性の倍近くになっています。

　この様に見ると高齢独身男性は近所づきあいも少なく、友達もいない人が多く、家族もいないため、他人に頼られるケースも少ないことが分かります。社会との接点が女性と比較してもかなり低いことが言え、こうした点も生きがいを感じないと感じる方が多い原因といえるでしょう。
　

男性が生きがいを感じるためには・・・

　男性が生きがいを感じるにはやはり配偶者を持つことが一つの大きな、とても大切な要素であることが分かります。 この点、まだ独身の方はまずは「婚活されてみる」ことがより良い老後を過ごす方法になるかもしれません。
　とはいえ、６０代以上で一度も結婚したことがない方は友達や交友関係がなく、コミュニケーションがない→独身のまま→社会との接点が減る→コミュニケーション能力がないままの状態になるという負のループに陥っている方も少ないと思います。

　しかし、行動しなければ何も変わりません。まずは気軽な気持ちで以下の様なサイトを通じて「婚活」をされるのはいかがでしょうか？

（文責：定年生活事務局）