定年生活.com トップ» 暮らす » コロナウイルスが蔓延する今、地震が起きたら避難所に行きますか? 複合災害の危機を考える

コロナウイルスが蔓延する今、地震が起きたら避難所に行きますか? 複合災害の危機を考える

2020/4/14 

熊本地震から4年が経ちました。新型コロナウイルスの感染拡大で社会全体が大混乱している中、もしこのような地震が起きたらどうなるのか。むやみやたらと不安を煽るつもりはないが、現実的なシナリオとしてそろそろ本気で複合災害への備えを考えなければならい時期に入ったといえるでしょう。

今、地震が起きて家屋が倒壊したとき、あなたは避難所に行きますか?

 2016年に起きた熊本地震では、最大855カ所の避難所が開設され、避難者の数は一時、最大約18万4000人に。1カ所あたりに換算すると215人。

(図表出典:平成29年度防災白書より)

 かなりの密接状態、即ち避難所は3密(密接、密集、密閉)に、不便、不満、不衛生の3不が加わった状態に。さらにコロナウイルス対応で死傷者の病院への受け入れも困難を極めることが予想されます。

日本人特有のバイアスがかかる

多くの方は、こんな事態を本気では考えないかもしれません今そんなことを聞かれても困る」「最悪を考え出したらきりがない」「あったとしても確率は低い」「起きたら起きたでその時考えればいい」「うちは大丈夫だ」などなど・・・。

 たしかに自信は確率が低いかもしれません。でも大雨はどうでしょうか?洪水はどうでしょうか?土砂崩れはどうでしょうか?

 特に日本人は臭い物に蓋をするとか変化を好まない現状バイアスがかかりがちな民族ともいわれています。しかし、ひとたび災害が起きてからどうすると考えるのは手遅れということになります。なぜなら災害は毎年のように起きているからです。ご参考までに確率が低いと思われている昨年から今年にかけて起きた地震を列挙してみましょう。

【2020年】
3月13日 石川県能登地方 5強
【2019年】
12月19日 青森県東方沖 5弱
12月12日 宗谷地方北部 5弱
8月4日 福島県沖 5弱
6月18日 山形県沖 6強
5月25日 千葉県南部 5弱
5月10日 日向灘 5弱
2月21日 胆振地方中東部 6弱
1月26日 熊本県熊本地方 5弱
1月3日 熊本県熊本地方 6弱
※気象庁発表資料もとにまとめ

 確率が低いとされている地震だけでなく、豪雨や台風災害も含めれば、毎年確実に避難所が設置される災害は起きています。そして、新型コロナウイルスの対応が長期化すればするほど、複合災害の可能性は高くなります。この時、私たちは大きな決断を迫られます。

自分の命の安全性については自分で考える時代

 避難所に行けば新型コロナウイルスに感染するリスクは避けられません。しかし、自宅にいたら倒壊の危険性が。考えたくはありませんが、どちらが生き延びる可能性が高いかをご仁で判断する必要があります。

避難所には行かずに

 避難所には行かずに自宅で過ごすという選択もあるでしょう。この場合、自宅がどの程度の被災を受けたかによるでしょう。自宅が倒壊する危険性がなければ避難所に行く必要はないし、家にいることが最も命を守る方法ということになります。
 備えとして、地震後も安全に暮らせるだけの備えは必要でしょう。すなわち、家具の転倒防止やガラスの飛散防止、さらに最低1週間程度の水や食料、トイレ、生活物資等を備蓄しておくことが重要です。在宅勤務で家族全員が家にいれば食料も多く必要になるかもしれません。

 一つのケースとして、昨年の千葉で起きたゴルフ場のネットの倒壊のケースでは自宅にいることは危険ということにもなります。こうしたケースに備えて、今から親族の方と避難先について相談を始めるのも一考です。

 自宅には住めないので、家からは出るが避難所には行かないという方もいらっしゃるでしょう。食料や生活物資などが十分備蓄してあり、持ち出せる状態になっていればそれも1つの方法です。この場合も現在の備蓄で足りるかどうかを見直しましょう。



 特に避難所にも行かず、自宅では住まないケースではテントなどのキャンプのような生活をすることも想像されます。トイレなどの生活物資を十分に蓄えておくことが必要であるといえるでしょう。

 複合災害が起きた際には、瞬く間に医療現場は大混乱に陥ることが予想されます。そのためにも少しづつで良いので、私たちが災害を想定した備えを行っていくことが重要かと思います。

 なお本稿を脱稿中の2020年4月13日に、千葉県鴨川市で34世帯80人に対し、レベル4の避難勧告が出された事実に直面しました。
 意外に複合災害は近いといえるでしょう。

(文責:定年生活編集部)



定年生活ではLINEのお友達を募集しています☆以下のQRコードからお友達登録をしていただきますと、LINEだけでのお役立ち情報をお届けします。
定年生活ではLINEのお友達を募集しています