文系だけではなく理系の方にも相性がよく、取得しやすい法律系資格・土地家屋調査士
2023/2/11一般に「士」業と聞くと文系の資格を思い浮かぶる方が多いかと思います。「士業」の代表格と言えば、弁護士でしょう。弁護士は司法試験に合格し、司法研修所に入所後、合格すると実務家になるのですが、試験科目が民法などの六法です。
いわゆる法律科目ですので法学部出身などの「文系」の方と相性が良い資格と思われがちです。今回は理系の方にも相性が良い資格をご紹介したいと思います。
理系の方と相性が良いのが弁理士・・・
まず、理系の方と相性の良い法律系資格の代表と言えば「弁理士」です。
弁理士の仕事とは、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権を取得したい方のために、代理して特許庁への手続きを行うことです。また、知的財産の専門家として、知的財産権の取得についての相談をはじめ、自社製品を模倣されたときの対策、他社の権利を侵害していないか等の相談まで、知的財産全般について相談を受けて助言、コンサルティングを行うのも仕事です。出願の対象も電子・電気・機械・化学・バイオ・薬品など多岐に亘ります。また、特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの侵害に関する訴訟に、補佐人として、又は弁護士と共同で訴訟代理人として参加できるのも弁理士の仕事の特徴です。
弁理士として特許内に対して、出願をするにあたっては理系分野の知識なくしては権利取得は覚束ません。そのため、仕事遂行にあたって理系知識があることは大きな追い風になります。
また、特定の分野ではありますが弁護士と共同で訴訟を遂行することが出来るのが弁理士の業務の「鼻」であり、弁理士資格が「理系の最高峰」と呼ばれる所以です。弁理士の合格には3,000時間の勉強が必要とも
こんな理系の花形ともいえる弁理士ですが、合格まではかなりハードルが高い士業でもあります。
かつての司法試験同様に、5月に短答式と呼ばれる5肢択一試験があり、合格者には7月に論文式、合格者には秋に口述試験があるという流れです。
この弁理士試験に合格するには、概ね3000時間の勉強が必要と言われています。3000時間をどの様に考えるかですか、1年が365日ですから平均して10時間の勉強が必要ということになります。
こうした勉強時間を仕事をしながら或いはリタイア後に取り組むには相当なエネルギーが必要といえるでしょう。
そこでオススメなのが土地家屋調査士です。概ね1000時間くらいの勉強時間で目指せる土地家屋調査士
今回、ご紹介をする土地家屋調査士試験。あまり聞きなれない方も多いでしょう。
法務省によれば、土地家屋調査士の業務とは、
「不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量をすること。」
「不動産の表示に関する登記の申請手続について代理すること。」
「不動産の表示に関する登記に関する審査請求の手続について代理すること。]
「筆界特定の手続について代理すること。」
とあります。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji117.html要するに不動産登記のうち、表示に関する登記を行うのが土地家屋調査士の仕事と言えます。
土地家屋調査士試験には午前の部と午後の部があるが午前の部試験に代えて測量士補試験を受ける人が多い
土地家屋調査士試験は同じ不動産登記簿を扱う司法書士試験同様に午前の部と午後の部があります。このうち、午前の部の試験は、難易度が高いので、より難易度が低いとされる測量士補の試験を受ける方がほとんどです。
測量士補の試験は、毎年5月の中旬に行われますが、試験時間が3時間半で、以下のことが試験範囲になります。
1 測量に関する法規
2 多角測量
3 汎地球測位システム測量
4 水準測量
5 地形測量
6 写真測量
7 地図編集
8 応用測量令和4年の受験者数は12,556人で合格者数は5,540人となり、合格率は44.1%という結果になっています。
この測量士補という試験は計算問題が多いのが特徴です。計算問題が28問の問題の半数ほどを占めるようになったため、文章問題だけでは合格点に到達しません。そのために、測量士補に合格するためには、計算問題への対策は必須です。
但し、試験で合格できる使用する公式や三角関数は、高校生の数学ができれば問題ないレレベルですが、高校や大学卒業後からずっと数学から離れていた方には敷居が高いと言えます。
また、電卓の持ち込みができないので、筆算に慣れておく必要もあるのも敷居を高くするでしょう。まずと土地調査士試験を目指すうえで試験が、理系との方と相性が良いと言えるのは、計算問題への対応が必須だからです。
土地家屋調査士試験でも数学の知識が必要
理系の知識を持っていることは午前試験の免除に役立つだけではありません。午後の歩武の本試験、特に記述式試験でも威力を発揮します。
土地家屋調査士試験の本番はこの「午後の部」ですが、私見には択一式と書式士官があります。午後の部では、不動産登記法・民法・土地家屋調査士法にまつわる20問と、土地・建物に関する作図を含む書式2問が出題されます。
出題形式は多肢択一式で解答にはマークシートを使い、択一式設問は1問2.5点×20問、作図は1問25点×2問で50点ずつの配点がされています。この様に見ると書式(作図)の配点が高いことが分かります。
さらに作図に当たっては三角関数や複素数平面と言った高校数学の知識が必要になります。この様に理系の知識も必要だし、法令の知識も必要というのが土地家屋調査士試験の醍醐味ともいえるのです。
(文責:定年生活編集部)
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