【PR】土地家屋調査士試験午後試験の全科目攻略法
2024/9/12土地家屋調査士試験は全部で実質、4科目ある
土地家屋調査士試験とは、司法試験、司法書士試験同様、法務省が実施する 例年10月第3日曜日に実施される法律系の試験です。土地家屋調査士試験は、午前の部と午後の部に分かれています。午前の部は、平面測量に関する択一試験、10問と作図1問が出題されます。多くの受験生は測量士補など、免除資格を有する資格を取得したうえで受験するので、多くの受験生はこの午前試験を受験することはありません。
過去に午前試験免除のための記事も作成していますので、気になる方は是非、ご覧ください。さらに午後の部の試験があり、こちらがいわゆる土地家屋調査士試験の主戦場と言えます。
択一試験として、大まかには不動産の表示に関する登記につき必要と認められる知識が択一試験では出題されます。
具体的には、民法、不動産登記法、土地家屋調査士法から計20問が出題されます。さらに記述式試験として、土地1問、建物1問が出題されます。試験時間は2時間半ですので、非常に時間がタイトな短期集中型の試験と言えるでしょう。この様に見ていくと土地家屋調査士試験は民法と不動産登記法、土地家屋調査士法の3科目の試験に見えそうです。しかし、近年では「筆界特定制度」については本試験で択一式1問~2問が、例年出題されています。これは不動産登記法123条以下に規定されている裁判外紛争解決に関する知識なのですが、不動産登記法とは、少し経路が異なるので「筆界特定」は1科目として別科目で説明します。
この記事はこれから土地家屋調査士試験を独学で学習しようと考えている方や、既に予備校等に通っているが勉強方法で悩んでいる方に特におススメな内容です。
是非、ご覧ください。民法の攻略法:相続法をベースに必要以上に手を広げない
民法の出題範囲は、民法総則、物権法、相続法から3問、出題されます。
細かく見ていくと、民法総則からは能力(意思、行為、権利)、法人、物、代理、無効、取消、時効が出題頻出分野です。
物権法は、物権変動、占有権、所有権(相隣関係、共有)、地上権、区分地上権、地役権といった少し細かい知識が問われます。
相続法は相続人、法定相続分が対象になります。相続法を軸に勉強をする
相続した土地を相続人が登記申請することができると不動産登記法にも規定があります。そこで、相続人や法定相続分について学習することが肝心です。相続法を軸に申請「人」の勉強をスタートし、民法総則おける「人」の学習、そして物権法との融合分野である登記と相続に関する論点を勉強するのがスムーズでしょう。
気を付けるのは勉強の範囲です。
民法は過去問以上の勉強に手を広げない
土地家屋調査士試験の民法試験は択一3問です。従って、過去問の知識をベースに必要以上に手を広げないことが重要です。
民法を勉強できる他の国家資格は多数あります。こうした資格に掲載されている問題にまで闇雲に手を広げることは時間を浪費する可能性があります。そこで、民法の学習範囲は過去問に絞って学習をすることをお勧めします。
それでも新作問題が出た場合に備えて、どうすべきでしょうか?気になる人は土地家屋調査士 King of The 民法 ハイレベル問題集【頂てっぺん】を
土地家屋調査士試験の民法について、民法科目を1問も落とすことなく、出題される範囲、問われる内容を完全に把握したい方には下記の問題集がおススメです。
この問題集は、土地家屋調査士試験で数多くの合格者を輩出する東京法経学院が出版する土地家屋調査士筆記試験の民法対策の問題集です。
過去に東京法経学院の司法書士答練などで出題した民法の問題群を難易度が高めの選りすぐりの問題全130問(総則32問・物権、担保物権70問・債権9問・親族5問・相続・民法全般14問)を土地家屋調査士の民法対策用に編集し直した問題集です。土地家屋調査士試験の民法3問を「たかが3問、されど3問」、満点を目指すべく民法全般の穴をなくしたい方にはおススメの教材と言えます。
不動産登記法は深い学習が必要
民法とは反対に非常に深い学習が必要です。土地家屋調査士試験では不動産登記法に関して択一で16題、出題されます。さらには記述式でもその知識が問われます。
言ってみれば土地家屋調査士試験は不動産登記法の試験といっても過言ではありません。不動産登記法に関する試験
と言っても過言ではありません。そんな土地家屋調査士試験の不動産登記法の学習は深く学習する必要があります。
すなわち、
不動産登記法
不動産登記令
不動産登記規則
不動産登記事務取扱準則
各種の不動産登記に関する通達・先例を細かく学習する必要があります。
ここで簡単に不動産登記法の付属法令についてみていきます。不動産登記法は、登記制度の根拠や手続の基本的な事項を定めている「法律」です。不動産登記法の円滑な実施のために不動産登記法の内容を細部にわたって、明確にするための政令として「不動産登記令」が定められ、同様に法務省令として「不動産登記規則」があります。
不動産登記令は申請情報の作成、提供や添付情報の種類、オンライン申請の手続、書面提出方法による登記申請の手続、登記申請の却下自由、登記識別情報に関する証明などを規定しています。
不動産登記規則は登記記録や地図、電子申請と書面申請、登記識別情報とその提供がない場合の手続、登録免許税、登記事項の証明などの細目を決めています。不動産登記法の「深さ」はこれだけでは終わりません。
不動産登記法や不動産登記令、不動産登記規則だけでは今日の登記行政・実は不十分です。現実に法令だけで処理できない様々な問題が発生します。こうした問題について法務局だけでは解決できない場合、上級機関である法務省の見解に従うことになります。
これを「先例」と言います。
先例は原則、登記難のみを拘束しますが、登記官はこうした先例に反した登記申請の処理はしないので、実質上、法令と同様の役割を担っています。さらに先例は内容によって「通達」、「回答」、「依命通知」、「合同決議認可」名に分けることが出来ます。
このうち、「通達」とは登記官が登記事務を処理する中で指針とする上級官庁のお達しになります。この通達の中には「不動産登記事務取扱手続準則」があります。これは登記事務の処理について一般的細目的事項を定めた「通達」で条文形式になっています。
試験ではこうした知識も必要になってきます。さらに「質疑応答」と呼ばれるものがあります。
これは登記手続における運用基準を示したものです。その性質は全国首席登記官合同における協議問題に対する本省回答です。
特に昭和58年、平成5年、平成13年の各通達に対する質疑応答の理解をしておく必要があり、また本試験でも出題されます。
これは市販の書籍がありません。
そこでおススメなのが以下の書籍です。この質疑応答は土地家屋調査士試験で数多くの合格者を輩出する東京法経学院が出版する「土地家屋調査士 不動産表示登記 質疑応答・質疑事項・Q&A集」で学習することが出来ます。
筆界特定は毎年1~2問出題される
土地家屋調査士試験では、筆界特定制度に関する問題が例年、1~2題、出題されています。
筆界特定制度とは、筆界特定登記官が、一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について不動産登記法123条以下の規定により、筆界の現地における位置を特定することをいいます(不動産登記法123条2号)。この筆界特定制度は、2005年の不動産登記法の改正で設けられた制度です。筆界特定調査官は、筆界特定をする前に土地家屋調査士等を筆界調査委員に任じ、その調査に基づく意見に基づいて筆界を特定します。そのため、土地家屋調査委試験本試験でも筆界特定の知識を問う問題が出題されるようになったのです。
土地家屋調査委試験の択一は20問中16問は取りたいので筆界特定は落とせない
近年の本試験の合格点は、71点~79.5点の間で推移していますが、多肢択一式で8割となると、20問中16問を正答しなければなりません。択一式で8里程度の正答を求められる試験はかなりの高精度を止められる試験と言えます。
その中で1問から2問、出題される筆界特定は落とせない問題ともいえます。
筆界特定を不動産登記法の一分野として取らずに一科目として取り組むメリットは以下です。「筆界特定制度」の学習には充分な時間を費やすことができず、未学習若しくは中途半端な状態で本試験に臨んでいる受験生が非常に多いのが実情です。
しかしながら、択一式問題の足切りを突破しなければ合格はおろか記述式問題の採点すらされませんし、記述式の出来によって合否は大きく左右することも事実です。
「筆界特定制度」の完成度を高めておけば、本試験直前期の他の受験生との差が明確についてきます。
そんな筆界特定した学習を検討している方におススメなのが以下の講座です。土地家屋調査士 筆界特定制度 すっきり!まるわかりゼミ
土地家屋調査士試験で高い合格実績を出している東京法経学院の「筆界特定」にフォーカスした単科講座です。講師は濵本眞人講師。
主に東京法経学院・大阪校で多数の講座を担当し,毎年多くの合格者を輩出し続けている人気講師が受験生が手薄になりがちな筆界特定分野の補強に繋がる講座です。
土地家屋調査士法は業務制限が頻出
土地家屋調査士法は業務制限に関する出題がかなり多いのが特徴です。特に土地家屋調査違法22条の2に関する業務制限が最難関の論点とされています。
他にも土地家屋調査士法のみならず、施行規則も出題されます。
出題範囲は広くないので、登記六法で条文を確認しながら過去問に取り組むのが良いでしょう。短答式試験の勉強は正誤のみならず理由も理解する
短答式試験は全部で20問、出題されます。ここで足切りに合うと記述式試験の採点はされません。1年間の努力も無駄になると言えます。
近年の本試験の合格点は、71点~79.5点の間で推移しています。以下、参考までに2013年から2023年までの基準点をご紹介します。年度 短答式基準点(平均点) 記述式基準点(平均点) 合格点 2013年 30.0(26.5) 30.0(25.2) 71.5 2014年 35.0(31.1) 30.0(24.3) 74.5 2015年 32.5(29.7) 30.0(24.1) 73.5 2016年 30.0(26.6) 31.5(27.1) 74.5 2017年 37.5(32.7) 36.0(30.1) 81 2018年 35.0(32.5) 33.5(27.8) 81 2019年 32.5(29.8) 33.0(27.5) 76.5 2020年 32.5(29.4) 30(24.8) 71 2021年 32.5(30.3) 30.5(25.7) 73.5 2022年 37.5(33.2) 34.0(28.1) 79.5 2023年 35.0(31.8) 29.0(23.65) 72.0 記述式試験も年度によっては著しく難化していることから短答式(択一式)試験は8割程度、即ち、16問程度の正解は欲しいところです。
そのためには、過去問の検討に当たっては、正解した部分の解説だけを読むのではなく、間違えた肢の理解も完全にしておく必要があります。
通常の学習では、インプット(知識の吸収)→アウトプット(問題演習)という順番で学習を進めるのが一般的ですが、こうした制度の高い試験ではインプット前に過去問に取り組み、その後に該当分野のインプットを行い、問題演習を行うという反復学習で問題意識を持った学習方法を行うことが効率的な学習方法の一つになること言えます。記述式試験は習うより慣れろ
土地家屋調査士試験における記述式試験はいわば天王山です。それは配点からも見て取れます。
土地家屋調査士試験の配点は択一式が1問2.5点。それに対し、記述式が土地25点、建物25点の計100点です。
記述式問題として土地・建物それぞれ1問ずつ出題されますが、簡単にどういった解法をするべきでしょうか?・土地の記述式
問題文を把握・情報を整理
↓
境界点の座標計算・面積計算・申請書記載
↓
図面を作成・建物
問題文を把握・情報を整理
↓
申請書記載
↓
図面を作成大まかにはこのような流れになります。
記述式試験は短答式試験とは異なり、驚くほど、未知の問題ラッシュになります。まるでかつての司法試験の論文式試験を髣髴とさせるほどです。
そのためにも記述式試験で必要な知識は択一で十分にし、作図などの記述式試験の独特の知識は手を動かすことでなれることが早道です。特に記述式試験を独学で勉強するかたは早稲田法科専門学院から出版されている土地家屋調査士受験100講〔Ⅲ〕書式編 改訂4版
が格好のトレーニング素材と言えるでしょう。
以上が土地家屋調査士試験の科目別攻略法です。
本記事がこれから土地家屋調査士試験の受験を検討する方の参考になれば幸いです。
(文責:定年生活編集部)
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