男性にとってＥＤ（勃起障害）とは大きな問題です。

十分に勃起しないために性行為が不十分となり、自らも満足しないし、相手の女性にも満足を与えられないという男性にとっては屈辱的なことも多々あります。

１．勃起状態が長続きしない
２．性的興奮や欲求はあるのに勃起しない
３．性交中に固さがなくなり、抜けてしまう
４．勃起してもペニスが十分に固くならない
５．パートナーを満足させることができない
などがあったらＥＤを疑った方がよさそうです。

国内のＥＤ患者数は推計で１１３０万人、４０歳代の男性３人に１人が何らかの形で該当するといわれています。治療を受けている男性はその１割にも満たないため、ほとんどの潜在患者が誰にも打ち明けられずに悶々としていることになります。

その原因は年齢的なものもあれば、精神的なもの、器質的なものなど様々あります。器質的というのは、糖尿病や高血圧、けがなどが原因でＥＤになることで、これはある意味その原因を取り除けば回復することが多いようです。難しいのは精神的な原因で、専門医の元で長期に治療しなければならないこともあります。そこまでいかなくてもストレス社会の増大などによるものが圧倒的で、それはすなわちシニア世代や中高年だけでなく若い人の間にもＥＤが蔓延していることを示しています。

どれが原因であるにせよ、専門医の指導の元に改善を図ることが重要。特に精神的な原因の場合、自己流で直そうとするとより悪化することもあるから、専門医に診てもらうことが回復の早道といえます。

費用が高額になるのでは、と怖れる向きも多いと思います。確かにＥＤは保険の適用対象ではないから治療の方法によっては高額になりますが、検査に１万５０００円から２万円程度、そして一般的にはＥＤ治療薬として、バイアグラなどを服用することになるのですが、１錠１３００～２０００円程度。回数分処方してもらうことになりますが、さほど負担が重いわけではありません。意外に安く上がるものです。

クスリが効かない場合は、そのほか海綿体注射で通常８～１０万円（複数回）、男性ホルモン投与が３万５０００～５万円。陰茎にシリコンリングを装着する方法が５～８万円、その他の手術で２０～８０万円くらいとなっています。もちろん程度に応じて医師の指導の元での治療となるわけです。

一般的にはＥＤ治療薬を処方してもらい服用することが多く、ＥＤ治療薬は、
１．バイアグラ（売上げ５０億円、０８年度推計、以下同）、価格１錠１３００～１５００円
２．レビトラ（同２５億円）、１錠１５００～２０００円
３．シアリス（同１５億円）１錠１７００～２０００円
この３品目があります。これ以外に日本では公に認められたものはなく、また、ジェネリックも日本では発売されていません。あるとしたら海外製品が輸入されたもので、こうした製品にはしばしば粗悪品があるので、デリケートな病気だけにやはり正規品を使うのが正しい対処法といえます。

ＥＤ治療薬の代表の観もあるバイアグラは、陰茎の血管を拡張して海綿体の血流量を増やし、勃起を促し持続させるメカニズムで、まれに血圧が下がる場合があり、降圧薬などを服用している場合や狭心症の際は医師の指示に従うことが必要です。効果持続時間は４～５時間、服用後１時間くらいが最も効果が高いとされています。ただ、服用前後には飲食しないように指示されることが多いなど、使い勝手はやや悪いとされます。

レビトラもメカニズムとしてはバイアグラと同じ。効果持続時間も４～５時間と同じ。低血圧が起こるなどのリスクもバイアグラと同じ。ただ、ある程度、服用前後の飲食ができるので、ことを行う前にお酒などでムードを盛り上げたいという向きにはこちらの方がいいかもしれません。シアリスは前２者と違って、効果が約３６時間と圧倒的に長いのが特徴。そんなに長く勃起していても困るという向きもあるでしょうし、自分の体力との兼ね合いでしょうか。

ただ、治療薬は個人差があって、ある人にはすごく効くものが他の人には効かないということもあるのでご注意を。いずれにせよ、一度だけです。一度だけ恥を忍んで専門医の門をくぐれば、二度目からは気が楽になるものです。

(文責：定年生活編集部）
本記事は2011年8月19日の記事を加筆、修正したものです。